ツンデレくんと家政婦ちゃん【青】

あいぼう ページ12

「ぎゃはは！」


「ちょお前きっしょ！」



リビングでは、成人男性ふたりが叫んでいる。





うおーうるさい。







ころんさんはゲーム実況をするときは収録部屋(ころんさんの部屋)でしていて、叫んでも防音室だからあまり聞こえないけど、今はリビング。通常運転な発狂。しかもひとり増えてるからすごくうるさい。






今はマリカをしているらしい。









わたしは遅めだけどご飯を作っている。カレーという簡単なメニュー。急遽さとみさんの分も。









カレーを混ぜてながらリビングの様子をちらっと見る。ふたりは真剣な様子でテレビを見つめている。






仲、いいなー。









ちょっと憧れている自分がいる。








「ええっ、俺の分も作ってくれたの！？」









わたしがリビングのテーブルに料理を運ぶとさとみさんが叫んだ。









「あ、もしかして夕飯もう食べました？」









「ううん、全然。ありがとう、Aちゃん！」








さとみさんがニコッと笑う。









「いい子だなーAちゃん。ころんにはもったいない・・・」







「お前まだ言う！？」









ころんさんが叫んでみんなで笑う。









いいな。こういうの。









自分の作った料理を喜んでもらえて、みんなで笑いあって。









温かい。









「ちょっとコンビニ」






ころんさんはひょいと食べ終わった皿をキッチンの流し台に運んでさっさと出かけていった。









「ころん、どう？Aちゃんに仕事いっぱい押し付けたりしてない？」





「あは、大丈夫ですよ」








「あいつ、家政婦ほしい〜って冗談ぽく言ってたけどほんとに雇うとはな〜」









「そうなんですか」









思いつきで言ったのかと思った。









「ころんは、ふざけたりばかな部分があるけど、誰よりも真っ直ぐなんだ。いいやつだよ」









さとみさんが急に優しい笑顔でそう言って、何だかじんときてしまった。









いい関係なんだな。









「あいつ、寂しがり屋って言うか、マザコンだから甘えたな部分あると思うけど、しっかり対応してやってよ」









私、笑顔で頷く。









「なんなら彼女になってもいーんだよ？」






「え！」






その時、ガチャッとドアが開いてころんさんが帰ってきた。









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