０７． ページ7
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駅に着くと、先に大我が待っていた。
「A！ここ！俺ここ！」
ぴょんぴょん跳ねる大我。
見たらわかるよ、と鼻で笑う。
大我からはマイナスイオンが出てる気がする。
…大我と居ると、気が楽だ。
「じゃあ行こっか、新作のケーキ食べたかったんだよね。」
「え、いちごのモンブランでしょ？俺も食いたかった！」
そんな他愛もない会話をしながら、私達はカフェへ向かう。
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カフェに着くなり二人していちごのモンブランを注文。
疲れた時には甘い物が一番だ、身体中に糖分が染み渡る。
「で、北斗は大丈夫なの？」
切り出してきたのは大我の方。
私は、弱音を吐いた。
「うん、まあ。これでも少し前に比べたら全然マシになった方なんだけどね。私、過去に1回浮気しちゃってるからさ。その日を境に北斗がどんどん壊れちゃって、どうしたらいいんだろう。」
思わず、乾いた愛想笑いが出る。
元を辿れば自分がまいた種だ、自分で何とかしなきゃいけないのに。
大我に相談したところで、何も解決しないのに。
「そっかそっか、そんな事もあったね。浮気はAが悪いけど…。だからと言って、自分が好きだと思う子に乱暴するっていうのは、例えどんな理由があってもダメなことだから。」
北斗は、やり場のない気持ちを私に当たってるんじゃないかって、私より真剣に北斗のことも、私のことも、考えてくれてる大我。
「少し、北斗に本音を話してみるのも手だと思うよ。もし話してまた乱暴されそうだったら俺に電話かけてもいいしさ。」
「そういえば本音で話したことなかったかも。…話してみよう、かな。」
何も解決しないと思っていたのに、明確なアドバイスをくれる。
今日は一段と大我がかっこよく見えるな、なんて気持ちは私の中にしまっておく。
「大我、本当にいつもありがとう。北斗に話してみるよ！」
「全然気にしなくていいよ。Aの顔が晴れて何より。」
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休みの日に相談乗ってもらったから、と奢ろうとする私。
頑なに拒む大我。
───結局、奢られてしまった。
むしろ休みの日に俺との時間作ってくれてありがとうって。
何で大我はこんなに優しくしてくれるんだろう。
北斗で少し傷心気味の私は、大我の優しさが身に染みて仕方ない。
「行こっか、北斗も寂しがってるんじゃない？」
「うん、ごめんね。大我が居てくれて助かる。ありがとう。」
謝るのは禁止って、にこっと笑われた。
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作者名：みゅん | 作成日時：2022年11月27日 5時
