肆拾仇 ページ2
自分が、愛されてる。
そんな事、夢にも思わなかった。
本当だとは思えない。
私は、座り込んでしまった甘露寺さんの前に膝をついた。
甘露寺さんが、此方を見上げ、目があった。
曇りのない、真っ直ぐな目。
でも、嘘だとも、思えなかった。
私って自意識過剰かな?いつもなら真っ先に浮かぶそんな考え。今は出てこなかった。
なんでだろう。胸の奥につっかえていた何かがすとんって落ちた気がして、まるでそれを照らし合わせるように涙が溢れた。
熱くて、目が溶けちゃうような、大雨のように涙が溢れ出て、でも冷たい雨じゃなくて、
ギュッッ
次の瞬間、甘露寺さんに包まれた。
「大丈夫よ!Aちゃん!
大丈夫だからね!!」
こんなに、大丈夫って言葉は凄いんだな、と思った。
そういえば、伊黒さん、大丈夫、かな…。
チラッと目を向けると、涙のせいでぼやけてはいたが、
優しい目をしていた。痛いくらいに。
嗚呼、このままいたいな。
わたしなんかが思ってしまった。
でも、できるなら。
私がそう思った時、
後ろから、不意に声が聞こえた。
「フガッッ
えっ!!!?俺なんで此処にいるの!?
えっ!?何この状況!!!!俺分かんない!!炭治郎ぉおおお!!!助けてぇぇええ!!!」
「…おい。お前…!!!」
「ギャーー!!!!!!!ごめんなさい!!ごめんなさい!!」
まるでさっき迄の記憶が無い様に、急に騒ぎ出した我妻さん。
そして、その我妻さんを睨む伊黒さん。
先程とは打って変わった空気に、
甘露寺さんと目を合わせて、笑った。
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ハルル - とっても面白いですね。続き楽しみにしています! (2021年4月2日 16時) (レス) id: 3ed8831ca6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蔚 | 作成日時:2020年1月13日 21時