流星の詩（yb×hk）▼yb side

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次の日。俺はまたその公園に行ってみた。
同じくらいの時間に、同じようにサッカーボールを持って。
どうしてまた行こうと思ったのか自分でも分からなかったけど、多分…光のことが気になったんだと思う。
その次の日も、またその次の日も、俺はその公園に行った。
俺がそこに行くと、光は必ずベンチに座っていた。
そしていつも何かをノートに書いていた。

「よぉ。」
「うん。」

そんなそっけない挨拶をして、その後に交わす言葉だって、せいぜい二言三言だった。
だけど俺が行くと光はなんだか少し嬉しそうな、そんな気がした。
ただの自意識過剰かも知んないけど。


俺と光が公園で会うようになって、９日目。
いつもの時間になったのに、俺は初めて公園に行かなかった。
雨が降っていたからだ。

あの公園での自主練はすっかり習慣になっていたし、なんなら俺のちょっとした楽しみになっていた。
だけどこの雨じゃさすがに自主練は出来ない。
仕方ない、今日はパスだな。


窓から外を見てみたら、ぼったんぼったんと大粒の雨が地面を叩いていた。

この雨の中、用事もないのに、わざわざ外に出るやつなんていない。
光だって、きっと…



・・・ん？

きっと…？


ザラリと胸を撫でたのは、あの時の光の横顔。

泣いていないのに、泣いていた光の横顔。
あれ？あいつ、泣いてなかったよな・・・いや、泣いてた？
涙を流さなくても、人は泣けるのか？

あの時、もう少し踏み込んで、光の話を聞いてみれば良かったような気がする。
泣けない泣き顔の理由を。
いや、でも、そんなの余計なお世話か？図々しい…？

「あーぁ…」

いくら考えても優しさの正解なんて、俺にはちっとも分からなかった。


だけど、あのベンチで、あの青いノートを抱きしめ
雨に濡れて一人ぽつんと座っている光を想像したら、俺の身体中の血はシュワシュワと泡立った。




あいつ…もしかして…

一人であそこにいるんじゃないか？



そう思ったら、居ても立っても居られなかった。

「あんた、どこ行くの！？」
「ちょっとっ…公園！！」
「はぁ！？すごい雨だよ！！？」

母ちゃんの声を玄関ドアと一緒に手離し、俺は公園に走った。

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