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父「もう挨拶は終わったのか?」
「うん、終わったよ」
お父様の前だからか、パッと作り笑いをする。
いつも思うけど、お嬢様の作り笑いは完璧だと思う。
お父様とお嬢様が話している時、吉原が僕のところへ来た。
吉「もう神崎と会ったんだな」
若「うん、凄いね、なんで分かるの?」
吉「お嬢様の表情」
少しいつもの笑顔と違う、と言った。
若「よく見てるね」
吉「まぁ、執事だからな」
執事だから、じゃない。
僕だって執事だけど、一緒に行動していなかったら神崎と会ったなんて分からなかったと思う。
父「これから踊らなければならない。若菜、準備はできているか?」
若「はい、いつでも大丈夫です!」
父「そうか、なら行ってこい」
「いってきます」
お嬢様の手を取り、広間の真ん中の方まで行く。
雅斗じゃなくてごめん、なんて思いながら、僕だって、と思っている。
なり始めた音楽に合わせて、ステップを踏む。
「若菜」
若「はい」
「上手いね?」
若「ありがとうございます。お嬢様だって、お上手ですよ」
「ありがとう」
彼女はすぐに頬を赤く染める。
だから、期待しちゃうんだ。
「あっ!」
ドレスを裾を踏み、少しだけよろけた。
若「大丈夫ですか?」
気がつけば、顔がものすごく近くにあった。
「大丈夫、ごめんね」
ほら、また顔が赤い。
若「いえ、お怪我なさっていないのなら」
その後も順調に踊りを進めた。
二人きりで踊る時間が楽しすぎて、ずっと続けばいいのに、なんて思っていた。
でも、楽しいことはすぐ終わるもの。
若「お疲れ様でした」
「うん、若菜もね!」
音楽が鳴り終わり、お父様の元へと戻る。
父「お疲れ様。凄く楽しそうだったな」
「すごく楽しかった!ありがとう、若菜」
若「いえ、こちらこそ」
その時、さっき聞いたような声が聞こえた。
「はぁ…また?」
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麗奈(プロフ) - 更新待ってます!!!!! (2017年4月23日 1時) (レス) id: 74c830a39c (このIDを非表示/違反報告)
勇花(プロフ) - めぐちゃむさん» ありがとうございます!嬉しいです(^O^) (2015年10月20日 21時) (レス) id: edc02d9e5b (このIDを非表示/違反報告)
めぐちゃむ(プロフ) - この話、普段誠は読まない私ですが、すごい好きです! (2015年10月20日 0時) (レス) id: bbec7445d8 (このIDを非表示/違反報告)
めぐちゃむ(プロフ) - この話、普段誠は読まない私ですが、すごい好きです! (2015年10月20日 0時) (レス) id: bbec7445d8 (このIDを非表示/違反報告)
なっちゃん - あの、なんか、話、泣けそうなんですけど・・・笑 (2015年10月12日 19時) (レス) id: ad652427a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:勇花 | 作成日時:2015年10月2日 21時