そこにあるのは必然【Dr.STONE】 (ページ8)

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文学少女と科学少年8 ページ8

大樹 side

3700年ぶりに親友の千空と会った。

楠で杠を確認し、感傷に浸っている暇もなく千空が俺をツリーハウスと称した千空の科学の全てが詰まっている研究所に案内する。

「これは...Aじゃないか！！離れ離れにならなくて良かったぞ、千空が見つけたのか？」

千空のツリーハウスの傍にあるデカい木に立てかけられていたのは俺や杠同様、千空の科学チームとして活躍していたAだった。

「あ？他に誰がいんだよ。土に埋まってたからとりあえず出した、それだけだ」

「そうか？まぁそれもそうだな！！」

千空の言葉の端々に少し違和感を覚えながらも起きたばかりのこの体を早速フルに使って翌日からとにかく食べれそうなものを片っ端から採取していった。

最優先課題である人間を増やすための実験も

始まった。

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「教えてやるよデカブツ。『科学ではわからないこともある』じゃねえ」

「わからねえことにルールを探す。そのクッソ地道な努力を、科学って呼んでるだけだ......！！」

毎日毎日、トライ＆エラーだった実験に花が開いた。

詳しい言葉や知識は俺には分からん、が。

目の前で自由に飛んでる先程まで石化していたツバメを見ていて思う。

「う...うおおおおおお！！」

千空が...科学が...ファンタジーに初めて勝った！！

俺達の地道な努力は無事に報われたというわけだ。一年という時を経て。

そしてきっと千空はまず最初に俺に復活液の決定権を委ねるはずだ。
不器用ながらも、俺と杠の一番の理解者だった千空がその選択肢を捨てないわけが無い。

案の定、ブドウの手柄とかいう明らかな後付けの理由で俺に決定権を渡した。

千空、俺はそこまで雑頭ではないぞ。

「確かに俺は杠を復活させたい！！だが！それ以上に千空の意見も聞かなきゃフェアじゃないだろう！」

俺がそう言ったことが意外だったのか僅かに千空が目を見開く。

「俺はずっと違和感があったんだ、千空！！だが分かったぞ！千空はAを一番に復活させたいのになぜ我慢するんだ！」

あの日、初めてツリーハウスで石化したAを見た時に抱いた違和感。

千空は合理的にを求めた結果だと言ったが違う。

なにか(・・・)の感情がAにある。

そしてそのなにか(・・・)の感情が

俺が杠に抱いているものと同じだということを。