文学少女と科学少年6 ページ6
No side
あの日＿＿＿＿ざっと3700年前。
世界中の人間は全て石となった。
だが、そこに希望の一筋である人物が、目を覚ます。
石神千空。生粋の科学少年であり、世界で最初に、目覚めた人物である。
千空は空をぼーっと眺め、早くも頭をフル回転させ現状の最善策を練る。何故こうも起きてすぐ頭が動かせるのか、理由は簡単、この約3700年の間ずっと頭を働かせていたからである。
そして動き始めると何やら騒がしい。
千空が警戒しようとするも現れたのは3700年前でもごく普通に見られた猿たち。ただ、この猿は人間という文明の頂点に立つ人種を知らなかった。
「地球に初めて生まれた、一匹目のツルピカ猿か。唆るぜこれは...！！」
石神千空とはこういう男。
これが人類の新たな文明の、第一歩となる。
・
・
千空 side
クッソ人間一人じゃ生活だけでギリギリだ。科学も進歩もクソもねえ。せめてあと一人体力のある奴が居れば...!!
目星はついていた、俺の復活地点のすぐ側。
恐らく同じ場所から流されてきた男の妙にゴツイ手。
石器のスコップで傷付けないように地面を掘り進めていくうちに全体が見えてくる。
ああ、そうだよな。
こんなゴツイ手、テメーくらいだわ。
少しだけ緩みそうになった表情を戻して誤魔化すように目の前にいる奴に呼びかける。
「ククク、見たくもねえほど見飽きた顔だがな。3700年ぶりじゃねえか、ようデカブツ......！！」
…と
「アホほど間抜けな顔してやがるじゃねぇか、A」
あー…めんどくせぇことこの上ない。
今一番復活して欲しいのは圧倒的大樹だ。俺には知力はあっても体力はねえ。体力という強力なカードが無ければ俺の生活はギリギリのままだ。
これじゃ、人類復活の実験なんて夢のまた夢なんだよ。
Aは二番手だ。いずれにせよ実験には素早く簡潔にまとめられる国語力があるやつが必要なんだ。
ともかくまず最初は…
「さ〜〜〜て。千空研究所のスタートだ。おいデカブツ、何やったら俺みたく復活する？」
そもそも3700年前、人類全員がいきなり石化した原因は？？
…唯一ハッキリしてんのは人間とツバメがピンポイントで狙われたってことだ。
一見ムチャクチャなファンタジーだが何かルールがある！
だったら俺は戦える、
「今！原始人の俺の前に前人未到新作の価格科学がある。唆るじゃねぇか……！！！」
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作者名：うらら | 作成日時：2023年3月18日 20時
