そこにあるのは必然【Dr.STONE】 (ページ37)

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文学少女と科学少年37 ページ37

屋台もソッコーで作ってしまい、後は村の皆が食べてくれればOK状態になり皆も続々と集まってくる。

まずは村一番の食いしん坊と言われているガンエンが一口目をすする。
...さて、どう来るか。

「もっちりとすげえ！それでいてすっげえ！」

村一番の食いしん坊がそう言ったからか皆も恐る恐るすすり始め、美味しそうに頬に手を当てたり感動のあまり涙を零しながら食べているものもいた。

そこまで大袈裟にリアクションされるのは慣れてないので小っ恥ずかしいが二つ結びのルビィが千空に好きなタイプを聞いて「製鉄炉に大量の酸素を送れる娘」と言っていてクスリと呆れと笑いが込み上げた。

コハクもあまりの千空のド直球すぎる受けごたえに突っ込まざるを得なかった。

あ、そうだ。

私は二つの猫じゃらしラーメンを持って金狼と銀狼の元へ向かう。
金狼とは話したことは無いが銀狼とは少し話をしたことがある。頼み込んだ末にコッソリ紙と書くものを持ってきてくれた人だ。お礼と言うのも何だがぜひ食べて欲しい。

『えと、二人とも。これはラーメンって言ってね、きっと美味しいと思うからぜひどうぞ』

「いいのぉ！？じゃあいただきまー」
「ダメだ。妖術の怪しい飯など口にできるか！そもそも警備が飯の差し入れを受けるなど言語道断。ルールはルールだ！」

言語道断！とでも言うように金狼は銀狼の服を掴んで引き止める。
いい人なんだろうけど頭の堅い人だな…金の槍で喜んでたのにね。
コハクにも同じことを言われて痛いところを突かれたと思ったのか眉間のシワを更に寄せて気難しい顔をしていた。

苦笑いとともに更に金狼と銀狼にはラーメンを食べて欲しいと思う。きっと原子の民にとってはとてつもなく味わったことの無い未知の味だ、でもこんなに好評なんだ。

これは私のただの自己満だけど、作ったものを素直に食べてもらえるだけで嬉しい。

でも確かに...二人は村の門番だ。

こんな時に敵でも来たら二人の仕事を邪魔して足でまといになるかもしれない。
そう考えると迷惑かなあ...う...難しい...。

「飲み物も欲しくなっちゃうね〜コーラとか」

ドキリ、とその随分と聞きなれた単語に身体中が熱くなる。...まさか。
私は思わず『コーラ...？』と呟く。

どうやら千空も同じなようで面食らった顔をしてラーメンを作る手を止めた。

誰だ。

一体。