文学少女と科学少年23 ページ23
金狼、銀狼と呼ばれる二人の男は何やら外から来た人間は昔追放された罪人だのなんだのあることないことぺっちゃくっている。
でもまぁ、縄文時代の後期レベルの集落だ。
千空が石鹸とコハクが持ってきた水瓶の温泉を使って大小様々なシャボン玉を作る。
予想通り金狼銀狼の二人は見たことの無い怪しい⋯あちらの言葉を借りるなら妖術だっらしく驚いているようだ。
「ククク、な〜ら丸ごとイタダけるな。科学力で40人のマンパワー全員仲間にゲットしてやるよ。唆るぜこれは⋯!!」
「ワッッルい顔するな。君も大概だぞ⋯」
『昔からの癖なんだよね⋯ほんと』
欲しいものは科学の力で全て手に入れる。そういう男だ。きっと時間をかけてでもここの人たち全員を仲間にするつもりなんだろう。
無くしても無くしても増え続けるシャボン玉に嫌気がさしたのか銀狼がクロム、という人物を呼ぶ。
そして現れたのはこれまた特殊なマントを羽織って堂々とこちらに歩いてくる男の子だった。
「よぅ、俺はクロム。やべーほど頭の切れる天才妖術使いだ⋯!!」
元気がいい子だ⋯なんというか、大樹のような⋯。
でも、シャボン玉の作り方を知ってるあたり、普通に頭は切れるのは事実なようだ。
だが、それも千空の前では通じない。
決闘だと取り付けられてクロムと千空の勝負が始まったが結果は当然千空の勝利。見事にクロムとクロムが小さい頃から集めていたという鉱石を手に入れることが出来た。
算術だとか妖術だとか、まあその時点でぶっちゃけ千空の無双だ。
ただクロムの凄いところは、何も知らない0からここまでをたった一人で生み出していたこと。
相手が千空だったからってだけで、クロム自身も頭は切れるようだ。
早速科学倉庫に入った千空とクロムはどうやら興奮している様子だ。あぁ、これは意外と似たもの同士⋯なのかな。
コハクは早々に呆れて村に入ってしまい、取り残された私はとりあえず科学倉庫に入って部屋の中を見渡した。
本当になんでもある⋯これは⋯これって。
千空の科学の材料だけじゃなく、私が欲しい材料も全てここに詰まっている!
74人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:うらら | 作成日時:2023年3月18日 20時