文学少女と科学少年16 ページ16
翌朝になり、私達は改めて火薬を作り始めた。
火薬に必要な素材は三つ。
一つ目は私と千空が昨日必死に集めた硫黄。
二つ目は木を燃やして作られる木炭。
三つ目は硝酸カリ。なのだがいつどこで作ったのかは分からないが千空があらかじめ用意していたのには流石に驚いた。
硝酸カリ75%、硫黄10%、木炭15%などなどを混ぜ合わせて仕上げにぶっ叩く、と説明した瞬間にどこから持ってきたのか分からない大きな岩を大樹が持ち上げてぶっ叩く。
...あれ、確か大樹が持ってるそれって、火花が散る黄鉄鉱って奴では...
千空がそれに気づき止めようとしたが時すでに遅し。
ジュッとスイッチが入ったように火がつき始め、千空が慌てて私を囲って逃げてくれる。
その瞬間に大きな爆発音がなり、体力がもやし並みの千空は呆気なく私よりも吹っ飛んでしまった。
...逆に私が守ってあげればよかったな。
「...これで司くんを攻撃＿＿＿するの？」
あまりの攻撃力に心配になった杠が聞き出す。
「...いや、取引する」
千空曰く、司は話の通じない人では無いらしい。先日の大樹との会話でそれは明らかになっている、とも言っていた。
でもとやかく、話し合いでなるべく解決出来ることを祈る。
あの千空が、司を頭のキレるやつと言っていた。だとすれば相当察しの良い奴で、きっと私たちがわざと散らかして慌てて逃げた風にしている事もバレていると思う。
「さ〜〜あとっとと消すぞ。万が一司が追ってきてたりしたら100億%見つかるからな」
そうだ、バレているとしたなら司は追ってきているはず、早く消さねば。
「みんな...見て、あれ」
突然、一定の方角を見て固まってしまった杠を見て同じ方角を見る。
あれ...は！
狼煙＿＿＿＿＿
「司くん！？」
『いや、多分逆方向...大体司が居場所を教えるようなことをしないと思う...！』
「じゃあなんだ！？山火事か？？」
「タイミングが偶然すぎる、明らかに俺らの噴煙に反応して上がった」
そこでようやく全員が確信する。
このストーンワールドに
私たちの他に誰かいる＿＿＿＿＿＿＿
「どうする千空！消すのか！？点けるのか...！？」
「点けるぞ！狼煙をあげろ！！！」
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作者名：うらら | 作成日時：2023年3月18日 20時
