夏油傑の心情1 ページ29
「ちょ、先輩！」
七海の焦った声が私たちの耳に届く。
声を辿れば七海は珍しく焦った顔をして海の中へと飛び込んで誰かを抱えて沖へと戻ってきた。
その"誰か"は、遠目からでも充分わかった。
＿＿＿＿ああ、Aだ
「うっそ、A……！あんのバカ……！！」
硝子もようやく気付いたのか持っていたビーチボールをその場に置いて焦りながら七海の元へと向かう。
私も急いでAの所へ向かおうと歩みを進めると腕を蘭に掴まれてしまった。その腕は小刻みに震えている。
何だろうか、この違和感は。
「っ傑！！行かないで！お、お願い」
「行かないでって……Aが溺れてるんだ、様子を見に行かないと。どうしたんだい？蘭らしくないじゃないか」
「ぇ、あ……」
反射的に発したかのような言葉に違和感を再び覚える。
蘭はいつも人の痛みを共感し合える世界一優しい子なんじゃないかと思っている。
例えそれが相手にとっての優しさじゃないとしても。
私は救われた。少なからず高専にいる人達は全員そうだと、思う。
しかし今の蘭は、一体……
「おい傑！！何ボーッとしてんだよ、Aの様子見に行かねえと！！クソ！」
勝手に海に入ったと思ったら溺れた。悟はそう証言した。
私は我に返りながら蘭の手を引っ張りAの元へと向かった。そこには一般客も大勢囲んでいて、ヤジの的にするなと少しイライラしながらAの真っ青な顔を見つけた。
「じ、人工呼吸とかですか！？」
「いや、その心配は無いよ灰原。七海がすぐ助けてくれたおかげでちょっと気絶してるだけっぽい」
硝子の言葉に皆は安堵し、ヤジしにきた一般客はつまんなそうにまた再び海へと戻って行った。
「五条さん、さっきまで先輩といましたよね。説明してくれますか」
七海は冷静に話してるように見えるがその表情は明らかな「怒」で。
私はその言い方だと悟もムキになって喧嘩になってしまうのではないかと心配していたが、悟は意外にも冷静に状況を説明した。
チラリと先程から一言も喋らない蘭を見る。
＿＿＿Aを見て、怯えている？
何に。一体。どうして。
そもそも蘭は何故私たちには普通なのにAに対してはこうも"ズレ"がみえるのか。
気のせいだと、翌日には普通に仲のいい姿が見れるから気のせいだと自分に言い聞かせてきたがこれはどうもおかしい。
＿＿＿＿＿何かある
私は、それが知りたい。
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ホワホワ - めっちゃ面白いです！更新待ってます！！ (3月23日 15時) (
レス) @page37 id: d16746353f (このIDを非表示/違反報告)
あやなみ。(プロフ) - うららさん» 初めまして、面白くて最高すぎて涙が出そうです💝、あのうららさんと会話したくてボードで会話するのは平気でしょうか？これからも応援してます (3月21日 20時) (レス) id: 861062e758 (このIDを非表示/違反報告)
nachu(プロフ) - 待ってましたあぁぁ！！次の更新も楽しみに待ってます❤️ (3月17日 21時) (レス) @page37 id: d62d5ed77b (このIDを非表示/違反報告)
LuNa(プロフ) - 更新きたぁぁぁぁ"！もうすぐ読みました！来た瞬間ヤッホーイですよ！😭本当に最高でした！…本当に大好きです！更新本当にゆっくりでいいんで、頑張ってください！！！無理しないでくださいね！！更新ありがとうございます！🎉 (3月17日 21時) (レス) id: de0c19e396 (このIDを非表示/違反報告)
うらら(プロフ) - 櫻田たるとさん» 更新本当に遅くなって申し訳ございません🙇🏻♀️🙇♀️🙇🏼♀️ゆっくりになるとは思いますが必ず完結させます!! (3月17日 19時) (レス) id: 95fb161e69 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：うらら | 作成日時：2023年9月24日 16時
