五条悟の心情 1 ページ27
今思えば一目惚れ、だった。
家のヤツらに飽き飽きして、中々ダルめの反抗期(それは今も)になりながら入学した高専。
ぶっちゃけ行く意味ねーだろ、だるいし。
ポケットに手を入れてぶっきらぼうに歩く。
教室に向かっていると、後ろから段々と大きくなる声が聞こえた。いやこれは大きくなってるんじゃなくて___
「うぇ、人!?ちょ、ちょちょストォォップ!」
人が、ありえないくらいのスピードでぶつかってきた。
「痛え……おい、何ぶつかって」
「本っ当にごめんなさい!!いやほんと!土下座します!いや、この場合は賠償金?と、とにかくごめんなさい!」
物凄い勢いと早口で謝りまくり、土下座までしてくるオーバーな奴に俺は思わず怒る気持ちも失せてしまった。
てかコイツ…俺と同級ってこと、だよな。
一向に頭を上げないコイツを見ながらも俺はまた立ち上がり教室に入る。
しかし後ろでまだ土下座してるコイツが気になってしょうがない。
____ただ、あの姿勢のままはうっとおしいだけ
そう自分に訳の分からない言い訳をしながら俺は踵を返して土下座してる頭を持ち上げた。
「ん。早く入れば」
「へ?あ、ありがとう!!あ、私、水野蘭!」
「五条悟」
「悟くん?いい名前!」
「どこがだよ」
こんなにまともに人と会話をしたのは、いつぶりだろうか。
先程知り合ったばかりの奴なのに、何故こうも気にかかるのか。
俺はまだ、その時の感情に名前を付けていなかった。
そして榛Aの存在は異様。
『やっぱり、一緒』
他のやつの自己紹介もろくに聞かずにボーッと外を眺めていると、突然聞こえた俺に向けての声。
一緒だあ?
声の主を見れば一重の切れ長な目。黒髪をハーフアップにしている弱そうな女子がこちらをジッと見据えていた。
こっち見んな。
女子と目が合う、しかし蘭とは違って気持ちが悪い。
全て見透かされたようなその目が、異様に見える。
呪霊よりもはるかに、異様。
「あ?何見てんだよ、つか誰」
わざとぶっきらぼうに聞こえるように目を逸らして答えた。この言葉は自分を守るための防衛本能。
____この女が、怖いような気がする
『私、榛A。五条悟、でしょ?』
至って普通な名前。
なはずなのに。
不気味で、どこか儚い。
それが俺の中のこいつ____榛A
2406人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ホワホワ - めっちゃ面白いです!更新待ってます!! (3月23日 15時) (レス) @page37 id: d16746353f (このIDを非表示/違反報告)
あやなみ。(プロフ) - うららさん» 初めまして、面白くて最高すぎて涙が出そうです💝、あのうららさんと会話したくてボードで会話するのは平気でしょうか?これからも応援してます (3月21日 20時) (レス) id: 861062e758 (このIDを非表示/違反報告)
nachu(プロフ) - 待ってましたあぁぁ!!次の更新も楽しみに待ってます❤️ (3月17日 21時) (レス) @page37 id: d62d5ed77b (このIDを非表示/違反報告)
LuNa(プロフ) - 更新きたぁぁぁぁ"!もうすぐ読みました!来た瞬間ヤッホーイですよ!😭本当に最高でした!…本当に大好きです!更新本当にゆっくりでいいんで、頑張ってください!!!無理しないでくださいね!!更新ありがとうございます!🎉 (3月17日 21時) (レス) id: de0c19e396 (このIDを非表示/違反報告)
うらら(プロフ) - 櫻田たるとさん» 更新本当に遅くなって申し訳ございません🙇🏻♀️🙇♀️🙇🏼♀️ゆっくりになるとは思いますが必ず完結させます!! (3月17日 19時) (レス) id: 95fb161e69 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:うらら | 作成日時:2023年9月24日 16時