ヒロイン25 ページ26
青く広がる空に綺麗な海。
私のネガティブな思いは蘭のヒロイン補正力には到底及ばなかったみたいであえなく私の思いとは正反対に絶好の旅行日和だった。
「海なんて初めて来たよ!!」
蘭の言葉に一同は耳を疑った。
「海初めてな奴とか初めて聞いたわ」
「逆に悟は来たことあるのかい?」
「あ?まぁ...普通に」
夏油と五条の間に気まずい沈黙が見えるのは気のせいだろうか。
いや、あの二人だ。絶対何かあっただろう。悪いが私は鈍感でもなんでもないから。
ここまできてお助けキャラとか脇役にしては頑張ってるわ、と自分を褒める。
初めて海に入る蘭を助ける後輩組と硝子を眺めながら私はそれとなく二人に近づく。
『お二人さんや。さては何かあったな?』
分かりやすく肩が跳ねる二人にもうちょい隠そうとはせんのかと少し可笑しくなる。でも蘭に関係することは確かで。
___その事が少し、妬ましくあったり
自分の嫌な部分が見える度に吐きそうになる。
だから皆の前ではせめていい子で、いい友達でありたい。
『ほら、天下のA様が聞いてやろう』
「誰が天下だって?バカの言い間違いじゃねえの」
「まあまあ悟。やはりAには適わないんだ、もう話してしまおう」
相変わらずの五条に宥める夏油。何も変わってないけど
私は砂浜に蘭と硝子とで新しく買った水着を着て座った。
「そうだね...何から話せばいいのやら」
『何それ。この一週間でなんかあった?』
「まあ、そういうことになるのかな」
先程から歯切れの悪い夏油にイライラする。早く言ってしまえばいい。その決心したような、決意を決めたような顔を私は知っている。
その顔は、もう_____
「俺ら、告白することにした」
「悟。単刀直入すぎる。そんなこと急に言われてもAは……」
『知ってた』
私が短くそう言うと二人はまたもや分かりやすく驚いた表情の顔をした。
ウケる。あんたら二人って実は似てるよね。言わないけど。
『五条と夏油が蘭のこと好きなのは分かってた。てか、あんたらも結構相談してきたじゃん?そりゃ、告白いつかするかなって思ってたよ』
『___でも、なんで今なの』
ふとした疑問が口から滑り落ちる。
私は知っている。二人が一年半も片思いしていることを。
でも私は知らない。今までウジウジしてたのに急に告白する気になった二人の気持ちを____
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ホワホワ - めっちゃ面白いです!更新待ってます!! (3月23日 15時) (レス) @page37 id: d16746353f (このIDを非表示/違反報告)
あやなみ。(プロフ) - うららさん» 初めまして、面白くて最高すぎて涙が出そうです💝、あのうららさんと会話したくてボードで会話するのは平気でしょうか?これからも応援してます (3月21日 20時) (レス) id: 861062e758 (このIDを非表示/違反報告)
nachu(プロフ) - 待ってましたあぁぁ!!次の更新も楽しみに待ってます❤️ (3月17日 21時) (レス) @page37 id: d62d5ed77b (このIDを非表示/違反報告)
LuNa(プロフ) - 更新きたぁぁぁぁ"!もうすぐ読みました!来た瞬間ヤッホーイですよ!😭本当に最高でした!…本当に大好きです!更新本当にゆっくりでいいんで、頑張ってください!!!無理しないでくださいね!!更新ありがとうございます!🎉 (3月17日 21時) (レス) id: de0c19e396 (このIDを非表示/違反報告)
うらら(プロフ) - 櫻田たるとさん» 更新本当に遅くなって申し訳ございません🙇🏻♀️🙇♀️🙇🏼♀️ゆっくりになるとは思いますが必ず完結させます!! (3月17日 19時) (レス) id: 95fb161e69 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:うらら | 作成日時:2023年9月24日 16時