ヒロインは二人も要らないのです【呪術廻戦】

ヒロイン24 ページ25

「来たよ、遂に」

『パンパカパーン』

「ワクワクしますね！」


「「「「『海！！』」」」」


辺り一面には綺麗な青い海と賑わう人の数々。

呪術高専に通う一、二年がこうして全員集結して海に行くことになったのはある理由があるからだった。




＿＿＿＿＿一週間前＿＿＿＿＿


「み、みんなああ！！大変だよおおお！」

風もすっかり元通りになり早くも二週間が経ち、季節はすっかり真夏。

今日も今日とて暑い制服に身を通して熱い場所でむさ苦しい呪霊を相手にして戦って、汗くさくなりながらもこうして戻ってきた私にとって、この声は今はなるべく聞きたくなかった。


「蘭？血相変えてどした」

「悟！あのねあのね！ちょ〜ヤバい！」

「嫌だから何がだよ」


案の定、五条が最初に速攻蘭に絡みに行くのを後輩組と硝子(夏油は任務)で眺めていたら蘭がポケットから何かをまさぐる動作を見せた。

出てきたのはなにかのチケット四枚分。


『何のチケット？それ』

「あのね、これ、熱海のホテルペアチケット！一枚二人まで！丁度四枚！全員行けるでしょ！？」


興奮しながら息も絶え絶えに話す蘭に一同は呆然。


流石の五条もこれにはついていけなかったそう。


「はい！俺、行きたいです！！先輩たちと旅行なんて青春みたいじゃないですか！！」

「灰原くんはなんて可愛い後輩なんだ〜よしよぉーし！」


灰原を犬かなにかと勘違いしてないかこのヒロイン製造機は。しかもその熱海のチケットどこで手に入れたし。

予想は着くけど。大方、街の商店街の福引とか？笑っちゃうね。ヒロインって運までついてくるの。

それはそれは嬉しい福袋だよ。


「はぁ...そう簡単に言いますけど、任務が全員ない日とかあります？」

七海が冷静なツッコミをする。ナイス

「その事なら任せて、夜蛾先生に二日くらいなら何とかするって言ってもらったから！」

「準備はやすぎんだろ」

「まあいいじゃん。夜とか海見ながらタバコ吸うのもアリ」

アリでは無いが、案外皆乗り気だ。


蘭はというと舌をぺろりと出してアニメのキャラクターしか許されないようなポーズをケロリとやってのける蘭は本当にすごいと実感させられる。



＿＿＿＿ああこれ断れないやつだな


空気読まなきゃ、ダメなやつ。

楽しそうな皆に、合わせなきゃ。




アワセナキャ

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