ヒロイン22 ページ23
Aが熱出した。
朝一にメールが一本入ってその日の任務は五条が代わりに行く事になったんだけど、どうも五条の様子もいつもと違う。
昨日の夜はドタバタ騒ぎして、私も少し二日酔い気味だけど五条は酒弱いしそんなことまず有り得ない。
...残すはAと何かあった可能性、か。
とりあえず授業サボって見舞いの薬やら食べ物やら買うか。あー、いや、薬とか人によって合う合わないあるから容易に買わない方がいい？
悶々と考えていると肩に蘭の顔が載せられるのが分かった。
腰には手を回されていつもの抱きつきの体制。
本当、蘭は可愛いと心底思う。
女の私から見ても蘭は初めて見るくらいには美人だし、天然っぽいって言うのか、アホっぽいっていうのかは分からないけどどちらにせよ可愛いんだ、とにかく。
だから夏油も五条も...多分Aも蘭のことが大好き。
「しょーこ！授業始まるよ？」
「あー、補助監督にサボるって伝えて。Aが熱出したって」
「えぇ、熱！？それは、大変だあ...お大事にだね」
蘭の言葉を聞いて、違和感を覚えた。
＿＿＿＿＿蘭ってこんな他人行儀な物言いする奴だっけ
私の中の蘭のイメージは他人の痛みや悲しみを自分のように共感できる聖母みたいな感じだし、実際そうだ。
「なんか、蘭も熱あるんじゃない？」
「私？私は元気モリモリだよ！この通り！」
両手を上げてブンブンと振り回す。
変わったところは無いし、気のせいではあるんだろうけど。
私も何か敏感すぎだね。最近Aの様子がおかしいからって変だ。
蘭に別れを告げ、近くのスーパー、と言っても山を下らなきゃいけない為のんびりタバコをふかしながら歩く。
「やあ、私もいいかな？」
しかしどうにも、のんびりにとはいかないらしい。
「夏油アンタねえ...蘭一人になるよ、授業受けるの。好きなんじゃないの。二人きりになれるチャンスなのに」
わざと嫌味ったらしくそう言うと夏油は微笑むだけで何も言わなかった。
「友達の風邪を利用して二人きりになろうとまでは思わないよ、まあ、それだけじゃないけどね」
「ふーん。ま、私はどっちでもいいけどさ。どうせなら全部夏油の奢りね」
「財布が許す程度にね」
夏油も変わった所なし...か。
ココ最近は全員変だ。
なんだか、私だけが通常で置いてかれているような気分。
ねえA。
アンタの目には私たちはどう映ってる？
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2406人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ホワホワ - めっちゃ面白いです！更新待ってます！！ (3月23日 15時) (
レス) @page37 id: d16746353f (このIDを非表示/違反報告)
あやなみ。(プロフ) - うららさん» 初めまして、面白くて最高すぎて涙が出そうです💝、あのうららさんと会話したくてボードで会話するのは平気でしょうか？これからも応援してます (3月21日 20時) (レス) id: 861062e758 (このIDを非表示/違反報告)
nachu(プロフ) - 待ってましたあぁぁ！！次の更新も楽しみに待ってます❤️ (3月17日 21時) (レス) @page37 id: d62d5ed77b (このIDを非表示/違反報告)
LuNa(プロフ) - 更新きたぁぁぁぁ"！もうすぐ読みました！来た瞬間ヤッホーイですよ！😭本当に最高でした！…本当に大好きです！更新本当にゆっくりでいいんで、頑張ってください！！！無理しないでくださいね！！更新ありがとうございます！🎉 (3月17日 21時) (レス) id: de0c19e396 (このIDを非表示/違反報告)
うらら(プロフ) - 櫻田たるとさん» 更新本当に遅くなって申し訳ございません🙇🏻♀️🙇♀️🙇🏼♀️ゆっくりになるとは思いますが必ず完結させます!! (3月17日 19時) (レス) id: 95fb161e69 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：うらら | 作成日時：2023年9月24日 16時
