ヒロイン21 ページ22
38.8度
『うわ、こんな高熱出たの久々』
昨日の今日で本当についてないと嘆きながらも、体温計を床に放り投げてベッドに転がる。
朝からだるいと思って測ってみたらこれだ。
あの後は七海にワンワン泣きついてそのまま部屋まで送って貰った情けなさがあるものの、そんなことより七海に私の風邪がうつってないか心配だ。
『硝子には一応連絡したけど...動く気にもなれん』
硝子からの返信には後でお見舞い行くとだけ書かれていて、良い友達を持ったもんだと感動した。
なんたって、これまでの友達関係は最悪だったし。
私はボヤボヤする頭の中でただ一つ思い出したくもない記憶を辿っていった。
__________
「A〜進学どうする?」
声を掛けてきたのは黒髪ボブで愛らしい顔をした私の"友達"。
その後ろには他の"友達"が居る。
イツメン六人いつでも一緒。
中学生なんて特に、仲間意識が強いんだから尚更そう。
トイレ行く時も一緒、何する時も一緒。
"友達"ってそういうものだから。
...だから、進路が周りと違うことに私は少し引っかかることがあっても、受け入れてくれると思ったから特に何も考えずに話した。
だって、"友達"だから。
『あー、私さ。変なモノが見えるんだよね。だからそれ系の高校?高専?行かなきゃいけないの』
「変な、モノ?」
黒髪ボブの子...名前はもう言いたくないから絶対言わないけど。その子が、私の言葉を繰り返した後
……笑った
大爆笑。周りの子もつられるように笑い転げていた。
_____何がおかしいのだろう
私は何も分からなかった。笑うところだった?でも今、真面目な話してるのに。
「いや、ウケる!Aってば勉強出来ないからってそんな設定要らないからー!そういうのキモいし」
「ほんとほんと、気持ち悪い奴と友達って思われたくなーい!」
ねー!っと他の子と賛同して気味悪がる"友達"を見て。
心の中で何かが暴れた。
違う。今初めて気づいたんじゃない。本当はずっと胸の隅にあった気持ち。
"どうせコイツらは、友達っていうブランドを利用するだけ"ってことを。
そしてその利用された都合のいい女が、私ってだけ。
あー、そうそう。思い出したや。
なんかあの時、記憶は曖昧だけどある男の子と仲良くなった気がする。
顔があんまし思い出せないけど、今どこで何やってんだろ。
少女漫画じゃあるまいし、再会すらもうしないのだろうけれど。
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ホワホワ - めっちゃ面白いです!更新待ってます!! (3月23日 15時) (レス) @page37 id: d16746353f (このIDを非表示/違反報告)
あやなみ。(プロフ) - うららさん» 初めまして、面白くて最高すぎて涙が出そうです💝、あのうららさんと会話したくてボードで会話するのは平気でしょうか?これからも応援してます (3月21日 20時) (レス) id: 861062e758 (このIDを非表示/違反報告)
nachu(プロフ) - 待ってましたあぁぁ!!次の更新も楽しみに待ってます❤️ (3月17日 21時) (レス) @page37 id: d62d5ed77b (このIDを非表示/違反報告)
LuNa(プロフ) - 更新きたぁぁぁぁ"!もうすぐ読みました!来た瞬間ヤッホーイですよ!😭本当に最高でした!…本当に大好きです!更新本当にゆっくりでいいんで、頑張ってください!!!無理しないでくださいね!!更新ありがとうございます!🎉 (3月17日 21時) (レス) id: de0c19e396 (このIDを非表示/違反報告)
うらら(プロフ) - 櫻田たるとさん» 更新本当に遅くなって申し訳ございません🙇🏻♀️🙇♀️🙇🏼♀️ゆっくりになるとは思いますが必ず完結させます!! (3月17日 19時) (レス) id: 95fb161e69 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:うらら | 作成日時:2023年9月24日 16時