ヒロイン20 ページ21
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皆が寝静まったのはもう夜中の三時。
七海と私は静かに部屋を出て五条の部屋に向かう。
やましいことをしてる訳では無いのに何だか罪悪感だ。
『五条、来たよ。話ってなに』
部屋のドアが空いてるのを確認して、七海を廊下において部屋の中に入る。
汗ばんだ手がとても気持ち悪い。
「悪い。こんな夜中に」
『別にいいけど...でも、わざわざ部屋に呼び出すほどの用件って』
「付き合って欲しい」
思考が止まる。完全停止する。
今、目の前のこの男は、なんて言った？
付き合え？それは、そういうこと？
頭をフル回転させて出た言葉は
『...は？』
たった一文字。
「いや、言い方が悪かったわ。付き合うってのは蘭に関係する話で」
『蘭？なんでここで蘭が関係すんの』
「アイツさ＿＿＿＿傑のこと、好きなんじゃねえのって思うんだよ」
またまた思考が停止する。
そして再び動いた時には
呆れと怒りと、悲しみと、何かが終わる音がした。
蘭はきっと悟が好きで、悟も蘭が好きで両思い。これで終わりだ。
こんなシナリオなんかない。
『...で、私をダシにして蘭に嫉妬させようっての？』
なんだ、それだけのことじゃんか。
たったそれだけのこと。
ふつふつと湧いた怒りは私の体をあっという間に侵食する。
そうか、こんなの。部屋で襲われた方がまだマシだ。
なんだこの、ここの、生き地獄は。なんだ、ここの空気は。
私には吸えない。こんな空気。
「...別にそういう訳じゃねえよ」
『じゃあなんだって言うの？ああキモイ、五条のそういうところ、本当にキモイ』
体を蝕む。キモイという感情で、蝕んでいく。
五条がバツの悪そうな顔でそっぽを向く。グラサンの奥にある綺麗な瞳は、今は濁ったようにしか見えない。
『期待して、損した』
「おい待てよ！」
これ以上ここにいられないと判断した私はフラフラとおぼつかない足取りで五条の部屋を出る。
廊下には真っ青な顔をした七海が。
そっか、全部聞こえてたのか。
...なら、我慢する必要ないかあ。
『今私、笑えてるかな』
「とてもブサイクです」
『だよねえ...うん...超ブサイク』
その場に崩れ落ちて静かに、声を押し殺して泣く。
七海が辛辣な言葉を吐きながらも私の背中を優しく叩いてくれる。文句のつけ所がないほど良い後輩だ。
『もう...諦めたいよ...こんな汚い恋』
「諦められるなら、諦めたらいいじゃないですか」
それが出来ないから、恋なんだよね
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ホワホワ - めっちゃ面白いです！更新待ってます！！ (3月23日 15時) (
レス) @page37 id: d16746353f (このIDを非表示/違反報告)
あやなみ。(プロフ) - うららさん» 初めまして、面白くて最高すぎて涙が出そうです💝、あのうららさんと会話したくてボードで会話するのは平気でしょうか？これからも応援してます (3月21日 20時) (レス) id: 861062e758 (このIDを非表示/違反報告)
nachu(プロフ) - 待ってましたあぁぁ！！次の更新も楽しみに待ってます❤️ (3月17日 21時) (レス) @page37 id: d62d5ed77b (このIDを非表示/違反報告)
LuNa(プロフ) - 更新きたぁぁぁぁ"！もうすぐ読みました！来た瞬間ヤッホーイですよ！😭本当に最高でした！…本当に大好きです！更新本当にゆっくりでいいんで、頑張ってください！！！無理しないでくださいね！！更新ありがとうございます！🎉 (3月17日 21時) (レス) id: de0c19e396 (このIDを非表示/違反報告)
うらら(プロフ) - 櫻田たるとさん» 更新本当に遅くなって申し訳ございません🙇🏻♀️🙇♀️🙇🏼♀️ゆっくりになるとは思いますが必ず完結させます!! (3月17日 19時) (レス) id: 95fb161e69 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：うらら | 作成日時：2023年9月24日 16時
