ヒロイン19 ページ20
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「つまり、俺が言いてえのは____」
「さっとるぅー!盛り上がってるかあー?」
フラフラと歩きながら五条に覆い被さる蘭。
お酒でも飲んだか、物凄く酔いつぶれて蘭は顔を真っ赤にしてデロデロになりながら悟〜悟〜と連呼している。
五条は頬を赤く染めながらも恥ずかしそうにそれとなく距離を置いた。
「ばっ、蘭お前酔いすぎだろ、距離感おかしくなりすぎ」
「なになに〜?悟ぅ〜聞こえなあ〜い」
「ったく...。あ、A。後で話したいことあるから、俺の部屋来い」
五条は蘭を所謂姫抱きにすると夏油と硝子に事情を話し蘭の部屋に連れていった。
置いてかれた私は、五条が最後に私に向けて放った言葉のことしか頭になかった。
は?部屋に、こい?
ばっかじゃないの。どういう用件で今どき男の部屋に女が一人で入るっていうの。
そりゃ、五条にとって私は女として見られるはずもないけど。
そんな目に見えてやられるとさあ、落ち込む。
「苦虫を噛み潰したような顔して、どうしたんですか」
『七海...。いやそこまで酷い顔はしてないと思うけど、』
突然の七海の辛辣タイムに悶絶していると話を聞きますよ、と後輩らしく気を使ってくれたため、深夜テンションも相まってか先程の五条言葉を七海に相談した。
七海は最初こそ冷静に聞いていたが、だんだん後半になると綺麗に整った顔が崩れていくのがわかった。
「はぁ、五条さん、馬鹿なんじゃないですか。年頃の男女が部屋に二人きりとかA先輩を下に見すぎじゃありません?」
『やっぱり?あは、そうだよねえ。都合のいい女だよねえ。でもさあ...気になるじゃん。話ってなんだよって』
七海はまとも。
私は、まともな皮を被った異端者。
五条は根っからの異端者。
私だって行くべきじゃない。そんなの分かってるよ。
でもだって、話があるだなんて言われたら気になるもんじゃん。相手が五条なら尚更。
「行きませんよね?」
『……さぁ、ね?』
「ちょっと」
『じゃあ部屋の前で待っててよ、万が一...いや億が一五条が変なことしてきたら助けてよ』
無茶なことを言ってるのは分かってる。
私は今七海を困らせていて、七海も私のことを好きでもなんでもないのにそこまで協力してもって思うのも分かってる。
しかし七海から出た言葉は、意外なものだった。
「あなたがそれで済むなら、いいですよ」
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ホワホワ - めっちゃ面白いです!更新待ってます!! (3月23日 15時) (レス) @page37 id: d16746353f (このIDを非表示/違反報告)
あやなみ。(プロフ) - うららさん» 初めまして、面白くて最高すぎて涙が出そうです💝、あのうららさんと会話したくてボードで会話するのは平気でしょうか?これからも応援してます (3月21日 20時) (レス) id: 861062e758 (このIDを非表示/違反報告)
nachu(プロフ) - 待ってましたあぁぁ!!次の更新も楽しみに待ってます❤️ (3月17日 21時) (レス) @page37 id: d62d5ed77b (このIDを非表示/違反報告)
LuNa(プロフ) - 更新きたぁぁぁぁ"!もうすぐ読みました!来た瞬間ヤッホーイですよ!😭本当に最高でした!…本当に大好きです!更新本当にゆっくりでいいんで、頑張ってください!!!無理しないでくださいね!!更新ありがとうございます!🎉 (3月17日 21時) (レス) id: de0c19e396 (このIDを非表示/違反報告)
うらら(プロフ) - 櫻田たるとさん» 更新本当に遅くなって申し訳ございません🙇🏻♀️🙇♀️🙇🏼♀️ゆっくりになるとは思いますが必ず完結させます!! (3月17日 19時) (レス) id: 95fb161e69 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:うらら | 作成日時:2023年9月24日 16時