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ヒロイン14 ページ15





「A?居るのかい?そこに」

『夏油...』

声がした方に目をやると少々息を切らした夏油が居た。

何故高専に居たはずなのにここに居るのか、どうして私の居場所を探しているのか、質問はあれやこれやと浮かんでくるが最初に見たのが夏油だったからか。


『夏油...夏油...っ』


ただ目の前に居る私を助けようと心配してくれてることは明らかな夏油を前に、涙が止まらなかった。

怖かった?いいや違う。

だって弱いから、弱ければ怖くない?

弱くても、怖いんだ。いや、弱いからこそ怖い。


その中に何を隠し持っているのか分からないから。


私は夏油の袖を掴み夏油の胸の中で泣く。

不細工な泣き顔を見せても夏油は意に介さず私の背中を優しく撫でてくれる。暖かい、とても。


今の夏油は、私のヒーローに思えた。


「何があったか、話せるかい?」

しばらく、話そうか迷う。

そして首を横に振った。

泣いてる私を受け止めてくれただけで、もう充分だから。


『ごめん。言えない。だから皆には...迷子になってただけって言ってくれる?』

夏油は一瞬渋い顔をしたが泣く泣く了承してくれた。私にとって今はそれがベストだ。

先程のスーパーへ行く道で、夏油がここにいる理由を聞いてみた。


「五条から、Aが居ないって電話があってね。スーパーにも外にもいないと言うから、皆で探してたのさ。蘭にはサプライズ計画はバラして、一緒に探してもらったよ」

『え、嘘。私、最悪なことしちゃった。ごめん』

「気にしてないさ。皆Aが心配だったんだ」

『心配...』


五条がスーパーの中探してくれた、外まで探してくれた。

皆が計画を放棄してまで探しに来てくれた。

私は身近な人にすごく大事にされているのかもしれない。やっぱり、すごく胸が暖かい。

それと同時に、今までひねくれていた考えを持っていたことを反省する。

謝ろう、皆に。そして、蘭に。


私が決心しながら歩くと夏油は悲しそうにこちらを見る。

「私は、Aがいつか遠い所に行ってしまいそうで怖かったのかもしれないね。いつかフラリと、突然に」

なぜそう思ったのか、聞きたかったけど聞けなかった。

『そんなバカな』

私はまたそうやって、気の遣えない言葉を返す。



夏油はやっぱり悲しい顔のままで。

「君のヒーローが、私だったら」

変なことを、呟いた。

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ホワホワ - めっちゃ面白いです!更新待ってます!! (3月23日 15時) (レス) @page37 id: d16746353f (このIDを非表示/違反報告)
あやなみ。(プロフ) - うららさん» 初めまして、面白くて最高すぎて涙が出そうです💝、あのうららさんと会話したくてボードで会話するのは平気でしょうか?これからも応援してます (3月21日 20時) (レス) id: 861062e758 (このIDを非表示/違反報告)
nachu(プロフ) - 待ってましたあぁぁ!!次の更新も楽しみに待ってます❤️ (3月17日 21時) (レス) @page37 id: d62d5ed77b (このIDを非表示/違反報告)
LuNa(プロフ) - 更新きたぁぁぁぁ"!もうすぐ読みました!来た瞬間ヤッホーイですよ!😭本当に最高でした!…本当に大好きです!更新本当にゆっくりでいいんで、頑張ってください!!!無理しないでくださいね!!更新ありがとうございます!🎉 (3月17日 21時) (レス) id: de0c19e396 (このIDを非表示/違反報告)
うらら(プロフ) - 櫻田たるとさん» 更新本当に遅くなって申し訳ございません🙇🏻‍♀️🙇‍♀️🙇🏼‍♀️ゆっくりになるとは思いますが必ず完結させます!! (3月17日 19時) (レス) id: 95fb161e69 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:うらら | 作成日時:2023年9月24日 16時

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