ヒロイン13 ページ14
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『外に出ません?ここじゃ、なんですし』
何気なくコイツらを外へ誘導し、人気の少ない所へ移動しよう。そっちの方が、アイツらにとっても都合がいいはずだ。
大事には、したくないでしょ?
まあここで、五条が助けに来てくれれば済む話なんだけど。
でも、アイツにだけは助けられたくない。
好きでもないくせに。半端に守るなとか、ひねくれた考えを抱いてしまいそうだから。
「ま、理想はちっさい姉ちゃんだけど。アイツの人質になるならこの際誰でもいいわ」
『小さい...?』
「あの姉ちゃん可愛かったな、あのクソ五条さえ来なけりゃ今頃...ひひ」
小さい姉ちゃんはきっと蘭のこと。
そして案の定、蘭をナンパしてた途中に五条にボコボコにされたらしい。因果応報としか言いようがないのだが、コイツらはきっとそんな言葉すら知らない。
血と暴力でしか己の存在を見いだせない。
『きんも。やっぱ可愛すぎるってのも、大変なんだね』
「おいおい姉ちゃん。口には気をつけた方がいいぜ?なんせ俺ら___」
その瞬間、私の足と手が拘束される。
なるほど大人しくしろと。でもこんなヤワなロープで縛れるほど私も弱くは無いんでね。
それに、遅れたら無駄に心配性な蘭がこれみよがしに心配するんだ。その屈辱だけは避けたい。
『はぁー...助けて欲しいとは思わんけどさ、やっぱりヒーローはヒロインが困ってる時にしか助けに来ないんだなあ』
「ごちゃごちゃうるせえよ。五条呼べ五条を」
『それは無理。急がなきゃ』
私はロープを力強く引きちぎって死なない程度にチンピラを気絶させていく。
男たちは口と暴力だけ。いざ恐怖を目の前にするといとも簡単に、弱くなる。
弱者って、可哀想。
私も、弱者。
『よーし。早く戻らないと五条面倒くさくなるし、行くか』
そして気付かなかった。
弱者の中に潜む、最後の手段に。
「クソ女あぁぁぁぁ!!」
『っぶな』
私は素早く避けて残りのチンピラを気絶させる。
いや、もろに食らったこれ...。
心臓は避けた。けどこれ...かすっちゃった。あんな弱い人間相手に。ヘマしちゃった。
これ見たら、心配してくれるかな。
するわけ、ないか。
『なんで助けに来てくれないのかなあ、ヒーロー』
私のヒーローは五条しかいないのに。
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ホワホワ - めっちゃ面白いです!更新待ってます!! (3月23日 15時) (レス) @page37 id: d16746353f (このIDを非表示/違反報告)
あやなみ。(プロフ) - うららさん» 初めまして、面白くて最高すぎて涙が出そうです💝、あのうららさんと会話したくてボードで会話するのは平気でしょうか?これからも応援してます (3月21日 20時) (レス) id: 861062e758 (このIDを非表示/違反報告)
nachu(プロフ) - 待ってましたあぁぁ!!次の更新も楽しみに待ってます❤️ (3月17日 21時) (レス) @page37 id: d62d5ed77b (このIDを非表示/違反報告)
LuNa(プロフ) - 更新きたぁぁぁぁ"!もうすぐ読みました!来た瞬間ヤッホーイですよ!😭本当に最高でした!…本当に大好きです!更新本当にゆっくりでいいんで、頑張ってください!!!無理しないでくださいね!!更新ありがとうございます!🎉 (3月17日 21時) (レス) id: de0c19e396 (このIDを非表示/違反報告)
うらら(プロフ) - 櫻田たるとさん» 更新本当に遅くなって申し訳ございません🙇🏻♀️🙇♀️🙇🏼♀️ゆっくりになるとは思いますが必ず完結させます!! (3月17日 19時) (レス) id: 95fb161e69 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:うらら | 作成日時:2023年9月24日 16時