ヒロインは二人も要らないのです【呪術廻戦】

ヒロイン12 ページ13

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謎に先程から女子に無意味なファンサを送る自覚済みイケメンをぶん殴りたい。

私はこんな奴に無意味にも一応、未練はあるのか。

今すぐ断ち切りたい、この無意味な縁。



いや今はそれよりも、だ。

女子の無数のナイフのように鋭い視線が私の、主に顔に突き刺さる。言いたいことは何となく分かってんだよコンチキショーが。


『こういうのがあるから、五条と二人きりは嫌なんだよ』

「嫉妬なんてブスがするもんだろ？気にすんなよ」

『あー...ね。嫉妬はブスがするもの。まあ、うん。そう、なのかな』


こういうバッサリ切ってくる感じもこいつらしいけどその言葉は私にも効く。

だって多分今、周りの女の子が私を嫉妬してるより私は蘭に嫉妬してるから。

それはそう。確かにブスだよね、そう。

五条に直接言われたわけじゃないのに、心は先程よりもっと重くなる。


＿＿＿＿帰りたい



「何だよ、いつもはノってくる癖に今日ノリ悪ぃな」

『そー？まあそういう日もあるさ』


適当にごまかし肉コーナーに足早に向かう。ファンサを送る五条を置いて。

あいつ本当にああいうところ。すぐ調子乗るから蘭の思わせぶりにも一喜一憂して落ち込むんだよバーカ。ざまぁみろ。


...ざまぁ


牛肉のパックを持つ手が止まる。


そうやって一喜一憂する姿を見るのも、辛い。

蘭のために悲しまないで。

蘭のために喜ばないで。

蘭のために、愛を向けないで。


『身勝手すぎてうけるね。最低性悪女の榛A』

「お姉さん可愛いと思うけど〜？」

『誰』

突然牛肉を持つ手を掴まれてグラサンのガラの悪い男の集団がやってきた。男たちの目付きは凶悪で、そこら辺の呪霊よりタチの悪そうな奴らだ。

ナンパじゃないな、これ。

すぐさま手を振りほどき、男の集団を睨む。


「嫌さぁ、お姉さんと一緒にさっきまで歩いてた五条悟？アイツに前ちょおっと貸しがあってさ」

『...つまり？』

「お姉さん人質になってくんね？って話」

話は、何となく察した。


アイツ喧嘩っ早いからきっとコイツらとの間に何かあったのは間違いないとして。


私を人質に、ねえ。

こちとら化け物相手に毎日闘ってるし、今更一般人、しかも非術師には負ける気はしないけど。

でもスーパーで暴れたら、普通に迷惑...。


ここは、仕方ない。大人しく外まで着いてきて外で対処するしかないか。

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