ヒロインは二人も要らないのです【呪術廻戦】

プロローグ ページ1

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ヒロインってさ、凄まじいよね。

なんて言うの？ほら＿＿＿可愛くて、性格良くて、時には強くて、そして最後には主人公と結ばれちゃうの。

物語は絶対ハッピーエンドでさ。

ここでは悟かな？


「悟ー！またイタズラしたなー！」

「げ、バレたか」


んで、ヒロインは私。

……と言うほど現実は甘くないよね。

目に映るのは、可愛い女の子とそれをからかう主人公の姿。


「傑っ！悟がまたイジめるー！！」

「からかって遊んでるんだよ、可愛いからね」

「はぁ？違ぇよ！！」


それからそれから、三角関係とかもあるよね。

ここでは傑。

あ、あとあのポジションも必須だね＿＿＿


「またクズ共にうちの"お姫様"がいじめられてんじゃん」

「しょーこーっ！！」


ヒロインの親友枠。何かと便利だよね、助言してくれたりするし。

綺麗な程に役者は揃っている。

後はテンプレートのように決まった物語を進めて、最終的には……って話だ。


でもここには"榛(はしばみ)A"という役名なんて存在しない。

名前すらつかないただの脇役。


『はは、ホント、可愛いね』

ただヒロインを褒めて、称えて、崇めて。

主人公とヒロインの野次馬係。


でもヒロインは名前もつかないような私でも笑って、優しく、接するんだよね？








私は、役名のないただの＿＿＿＿脇役。



だよね？

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