imitation (ページ6)

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6話ページ6

青side

予定よりちょっと遅くなったなー、なんて思いながら楽屋の扉を開ける。
いつも通りに騒がしくて、昨日から続いている不安が和らぐ気がした。

挨拶してからソファに座って、スマホをいじっているふりをしながら、向かいのソファで座った体制のまま眠る北斗を見つめる。

寝顔は穏やかで、昨日のことが幻だったんじゃないかとさえ思えてくる。

ー聞くべき、なのか。

何も無い、と1度拒否されてしまった以上、触れられたくない事なのかもしれない。
けれど、その後に言った言葉が気がかりだった。

『そんなのっ……俺が1番分かんないよ』

(あれは…誤魔化すための嘘？それとも…)

「そろそろ準備するかー」

ふっと意識が引き戻される。
気がつくとまわりではメンバーが撮影用の衣装に着替えているところだった。

「樹そんな心配なら北斗のこと起こしてから来てくんない？まだ余裕あるし」

「え？」

慎太郎から急にふられて驚いていると髙地に苦笑される。

「お前見すぎ。スマホ持ってんのに画面暗いし何してんのかなーって思ったら」

「どうせペア撮影だしゆっくり来てもいいと思うよ」

きょもにもあっさりと言われ、よろしくー、と言いながらぞろぞろと4人が出ていく。

「……ん」
4人が出ていって数分、丁度目を覚ました北斗がきょろきょろと周りを見た後、目が合った。

…ゆっくりでいいって言われたし、聞いてみよう。

「北斗、ちょっと……いい？」