三、微笑み ページ6
寧「噂って…？先輩は"怪異"なんですか？」
まあ、そうなるよな。
酷く混乱した様子の八尋寧々は、頭を抱えて必死に思考を巡らせているようだった。
その証拠に瞳が渦巻いている。
『…私は君と同じく、"怪異"と"契約"してしまった人間なんだ』
寧「先輩がなんでそれを！？」
『君の話は…まあ、職業柄耳に入るというかな…。ずっと気になってはいたんだよ。人魚と"契約"し、七不思議の七番であるトイレの花子さんと"縁を結んだ"少女…。』
寧「職業柄って…」
『私は"祓い屋"だ。先日君達の所に源光がお邪魔したろ？』
そう伝えると、彼女の怯えた表情が更に濃いものになった。
寧「じゃあ…先輩も、花子くんを祓うんですか？」
驚いた。
早く解放してやらねばと思っていたのに…。むしろそれを噂を変えてくれた時のお礼としたかったのに…。
どうもそうとはいかないらしい。
『…君が嫌ならしないけど？』
寧「え、そんな軽く決めていいものなんですか？」
『いやね、元々私の一族は怪異と共存してきた血筋だからな。現に私も数体怪異を使役しているし…。源家みたいに誰彼構わず祓うわけじゃない』
私の言葉に安堵したように胸おなでてため息を着く彼女の様子から、本当にこの子は怪異と親密であることが伺えた。
そして思い出したようにパッと顔を上げて私に問いかけてくる。
寧「変えて欲しい噂って何なんですか？」
そういえば言ってなかったな。
『『九尾の狐』だ』
寧「どうして先輩はその噂を変えたいんですか？」
『…私の中に九尾の狐がいるからだ』
私の言葉にまた混乱する彼女にちゃんと説明する。
『言っただろ。私も君と同じく怪異と契約した人間だと…。私が契約したのは他でもない。その『九尾の狐』なんだ』
寧「それって…私が噂を広めるよりも、先輩が自分で『九尾の狐』を祓う方が早いんじゃ…？」
『いや、私は"コイツ"との関係を終わらせるつもりは無い。一生共存するつもりでいる』
寧「どうして？」
『怪異は悪いやつばかりじゃない。それは君が一番良く分かっているはずだ』
酷く驚きながらもでもその次に、とても優しい微笑みを浮かべる少女。
不思議だ。
この子には嫌でも気を許してしまいそうになる。
寧「わかりました！私なりに変えてみます！！」
『ああ、頼んだよ』
彼女へのお礼は次会った時にでも…なんて考えていた時だった。
女子トイレへと帰っていく彼女の背中を見送る中、頭の中になんの前触れもなく"アイツ"の声は響いてきた。
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翼 - 続きが気になります！更新、楽しみにしてます！ (2021年4月18日 12時) (
レス) id: e6efe56fc6 (このIDを非表示/違反報告)
ルル - 面白いです！！更新頑張ってください！！ (2020年3月14日 12時) (レス) id: 8704b5e388 (このIDを非表示/違反報告)
イツキ(プロフ) - 若葉さん» 独り言みたいだからですか？ (2020年3月13日 22時) (レス) id: d483986195 (このIDを非表示/違反報告)
イツキ(プロフ) - 花っち�擦気�» ありがとうございます！！頑張ります！！ (2020年3月13日 22時) (レス) id: d483986195 (このIDを非表示/違反報告)
若葉 - なんか、狐と夢主ちゃんのお会話シーンみんなにとって厨二とおもったのは、私だけですか? (2020年3月13日 22時) (レス) id: 4dface175c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：イツキ | 作成日時：2020年1月25日 20時
