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Aside
読取「まさか、それを選び取るとは…」
不自然な体勢で止まった読取さんの方をむく
そして、それを聞き微笑む
私は読取さんに近づき、腰に引っ掛けていた手錠を外す
A「私だって使いたくなかったけど、読取さんを欺くにはこれしかないって思ったんでしょうか…無意識で使ってたんですよ」
そう言って苦笑した
私が絶対にしたくないこと
それも、この人は知っている
敵の個性は使いたくなかった
でも、使わざるを得ない状況になれば…
大切なものを失うかもしれないと言われれば
私はきっと迷いなく使う
私の大事なものを守るために
何も失わないように
今、確かに無意識で使えたのだから
読取「まさか無意識に理性で抑えていたことをするとは…」
A「そう言われると悪いことしたみたいですね」
私は読取さんの手に手錠をかける
私の勝利を知らせるアナウンスが鳴り響く
読取「この個性、解いてくれないか?」
私はバツが悪くなって顔を逸らす
A「任意のタイミングで解けるものじゃないんです…時間が経てば解けます」
読取「…そうか」
読取「…必ずしも考えて選びとることが悪いとは言えないし、むしろいいことだ」
読取さんが急に話し出す
読取「だが、瞬間瞬間の判断を求められる時は考えるのをやめて、感覚に任せてみるのもいいと思うぞ」
私は、その言葉を聞いて顔を伏せる
A「今回は上手く行きましたが、絶対に毎回上手くいくでしょうか」
読取「大丈夫だ 絶対とは言えないが、確率を上げるために経験を積むんだ それと、心の強さはすぐにどうにかなるものじゃない だが、時間はかかっても無くしておくべき課題だと俺は思う」
その言葉を聞いて、何となく安心した気がする
A「…そうですね ありがとうございます」
私はちょっと笑って、頭を下げた
そして、A組の期末試験は終わりを告げた
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読取side
見取Aの個性と考える力、洞察力
それらは全てすごいものだが、時として弱点となる
実際にこの少女はそれらのせいで判断力が鈍り、自信を無くした
そして、俺が“お前の大切な人たちも殺す”と言った時の少女の心の中を思い出す
“それだけはダメだ”
“そんなこと、させない”
“それだけはさせてはだめ”
“大切なものを守るためならなんでもしてやる”
あれは、無意識に溢れ出てしまった思考なのだろう
だからこそ心配になる
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作者名：ritsu | 作成日時：2023年2月20日 23時
