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参拾捌話【後編】 ページ37

カナヲ「...」(硬貨を見つめる

ーー数年前ーー

少女「...」ガタガタ

?「...」ガッ(カナヲを殴る

少女「きゃっ...!!」

ガラガラ

?「...」(カナヲを外に放り出す

少女「っ...!!」

少女(痛い...お腹が空いた...悲しい、虚しい、苦しい、寂しい、そんな日々だった。)

少女(だけどある日、プツンッ と音がして、何も辛くなくなった。)

ーーー
スタスタ

少女(何も辛くなかった、貧しい暮らしの中、親に売られたときでさえ。悲しくはなかった。)

ガヤガヤ

?「あの、ちょっとよろしいですか?」

身売り商人「あぁん?」

カナエ「その子は、なぜ縛られているのでしょうか?罪人かなにかなのですか?」

身売り商人「見てわかるだろ、ゴミだらけで汚ねぇからだよ。それに、逃げるかもしれねぇしな。」

スタスタ(少女に歩みよる

カナエ「こんにちは、はじめまして。私は胡蝶カナエと言います。あなたのお名前は?」

少女「...」

カナエ「...?」

身売り商人「そいつに名前なんかねぇよ、親がつけてねぇんだ。もういいだろ、離れろや」バッ

パチンッ(身売り商人の手を払う

身売り商人「?!...」

しのぶ「姉さんに触らないでください。」ギロ

身売り商人「なんなんだてめぇら!こいつとお喋りしたけりゃ金を払いな!」

ザワザワ(観衆が集まる

しのぶ「じゃあ買いますよ、この子を。これで足ります?」バッ

チャリ...(大量の紙幣と硬貨が投げ出される

身売り商人「..?!」

バッ(少女を縛っていた縄を奪い取る

スタスタスタ

身売り商人「あっ...!!まてごらぁ!」

しのぶ「早く拾った方がいいですよ!人も多いし、風も強いので!」

カナエ「あぁ...いいのかしら...」

しのぶ「いいの!」

カナエ「ごめんなさいね〜」

身売り商人「拾うな!これは俺の金だ!」観衆を睨む

カナエ「あらあら...」

少女「...」ジッ(カナエの顔をじっと見つめる

この時、少女の瞳に初めて光が戻った。

ー蝶屋敷、お風呂にてー

しのぶ「...」ゴシゴシ

カナヲ「...」ポカン

しのぶ「...」ジャァア(お湯をかける

コトッ

ーーー

?「姉さん?!姉さん!」

つづく。

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作者名:佐倉。 瑠維 マカロンペ朱鳥 兎羽 x他3人 | 作成日時:2019年9月16日 21時

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