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拾話【前編】 ページ29

瑠維「その鼓は?」

柿色の着物を着た少年「ば...化け物が落としたんだ...誰が俺を...く、喰うかっていう話をしてて...化け物同士で争って..その時に落ちてた鼓を拾ってきたんだ...!!」

炭治郎「そうか...よくここまで頑張ったな!えらいぞ!」

瑠維「君の名前は?」

柿色の着物を着た少年「きよし...貴方たちは?」

瑠維「私は果依猫瑠維!こっちが竈門炭治郎!」

炭治郎「竈門炭治郎だ!」

ダン!ダン!ダン!

瑠維「...!!」

瑠維「きよし君、私たちは化け物を倒してくる、だから、それまでこの部屋で待てる?」

炭治郎「もし、足音が聞こえたら、容赦なく鼓を打つんだ!今までしてきたように。」

きよし「う、うん...」

瑠維「じゃあ、行こう、炭治郎くん!」

炭治郎「あぁ!」

タン!

鬼「虫けらが...忌々しい...」タンタン

炭治郎「くっ...!」

炭治郎(早い...回転と攻撃の速度が凄まじい..!!)
炭治郎(珠代さんに手当はしてもらったが、怪我は完治してない...!勝てるのか..?俺は!その怪我が..痛くて痛くて堪らないんだよ!俺はもう本当に、ずっと!我慢してきた!善逸を女の子から引き剥がした時も!声を張ったときも!すごい痛いのを我慢してた!俺は長男だから我慢できたけど...次男だったら我慢出来なかった!)
炭治郎(踏ん張ったりすると、折れてるとこが軋んで力が入らないんだ...!)

瑠維(酔う酔う...)

タン!

炭治郎「くっ..!!」

炭治郎(あの鬼の爪のような跡がつく攻撃...あれが怖くて向こうに近づけない...万全の状態じゃないから...間合いの内側に入ろうと突っ込んで痛みが走って足がもつれたら!!俺は間違いなく輪切りだ...)

炭治郎(怪我のせいで悪い妄想ばかりしてしまう...!!鱗滝さん...!!)

ハッ

炭治郎(そうだ...そうだ!水の呼吸は拾種類の型がある...!どんな敵とも戦えるんだ!)

炭治郎(怪我をしているのならそれを補う動きをしろ...!どんな形にもなれる!決してながれは止まらない!)

炭治郎「真っ直ぐ前を向け...己を鼓舞しろ!」

瑠維「炭治郎くん!私の次に呼吸を使って!」
瑠維「雨の呼吸...弍ノ型..!雨風の逆鱗!」

瑠維「腕は切った!炭治郎くん!あとは頼んだ!」

炭治郎「はぁぁぁ!」



つづく

大正コソコソ噂話
雷葩と瑠維は、甘味処の常連客らしいですよ?

拾話【後編】→←玖話【後編】



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作者名:佐倉。 瑠維 マカロンペ朱鳥 | 作成日時:2019年9月4日 21時

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