#09. 合流地 ページ10
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どれくらい走っただろう。
息の続く限り、休む間もなくただひたすら前に。
そうする内に時間の感覚も無くなって行く。
政と分かれてからどれくらい経った?
彼はもう国卑村に着いているはずだ。
早く……行かなかきゃ。
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『 (…………水の音、) 』
段々聞こえてきた水の音に、もうすぐ森を抜けるであろう事が分かった。その音がどんどん近くなって、音に向かって足を進めると、途端に視界が開けた。
『 川がある…… 』
という事は、ここの先で政が待っているはず。
見晴らしのいい高さからその姿を探してみるも、中々見つかる事が出来なかった。どこに居る…着いて居ない訳ない。絶対もう来てるはず。
来てないとしたら…いや、そんな訳、
そうやって一人で自問自答してた時だった。
少し遠い場所から何かが崩れ落ちる大きな音がして思わず走り出した。そう言えば政は、小さな小屋に居ると昌文君が……!
「 命を貰うぞ___秦王、嬴政__ 」
絶対に……させない!!
遠巻きに姿が見えた。黒い布を頭から被った朱凶と政が対峙している。足が折れたって構わないから、一時でも早く……!
カンッ!!!______
「 ほぉ……後ろからとは。卑怯だな 」
『 っ……! 』
止められた!?それも後ろから……!
力で跳ね返され政の側まで後退する。
クソ…やっぱり力じゃどうにもならない。
体勢を立て直すか、
「 無事だったか 」
『 遅くなってごめん……政こそ無事? 』
「 あぁ。ただ、 」
『 ……?? 』
政が目をやった方に居る、ボロボロの服を着た少年。誰だ、政の様子からして敵では無さそうだけれど。
「 しかし……あれが
『 !? 』
コイツ…もしや漂に会った?
何かを知っている様な口ぶりだ。
嫌な……予感がする。どうしてこんな時に、
嫌だ……嫌だよ、沸いてこないでよ、
「 この俺が致命傷を与えながらも逃したのは奴が初めてだ!まっ、そのしぶとさが仇となって俺はここまで辿り着いたのだがな 」
「 うおっぉぉぉぉぉぉ!!!! 」
「 …… 」
「 くそ…段々分かってきたぞ……お前が王で!お前が刺客!!王に似ていた漂は最初から替え玉にするために王宮に連れて行かれたんだ!!そして王に間違われて殺されたっ……!!! 」
『 !?!? 』
ころされた……
漂が?この男に…?
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しろ。(プロフ) - さりんこさん» はじめまして!コメント有難うございます。しろです。そんな風に言ってもらえてすっごい嬉しいです!!!更新頑張ります!! (2021年5月28日 5時) (レス) id: d967e47327 (このIDを非表示/違反報告)
さりんこ - はじめまして!!さりんこと申します。私もキングダムが好きでなかなか、キングダムの小説がなかったので、今回しろさんの小説読まして頂きまして、すごく面白いなと思いました。早く続きが気になります!!これからも頑張って下さい!! (2021年5月27日 23時) (レス) id: 409248fd34 (このIDを非表示/違反報告)
さりんこ - はじめまして!! (2021年5月27日 23時) (レス) id: 409248fd34 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しろ | 作成日時:2021年5月27日 19時