#18. 理由 ページ19
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どれぐらい歩いただろう。
息が上って苦しい。歩くのが早い政に着いて行くのも必死なぐらいだ。
そんな時、思い出した様に貂が話し出した。
「 あれ？ところで何で王様、こんな所で兵に追われてんの？ 」
「 弟が反乱を起こしたのさ。醜い兄弟だせ！ 」
「 いやでも変じゃね？ 」
「 何がだよ 」
「 だってさ、反乱あるの知ってたから替え玉用意して国卑村に隠れてたんだろ？でもさ、知ってたんなら未然に叩きつぶしゃいーでしょ 」
『 ……っ、 』
「 何でそんなに逃げ腰満点なのさアンタ！王様のくせに！！ 」
大きな声が響いて途端に静かになる。
正論すぎて何も言えなかった。
貂の言いたい事も分かる。
だけど、政の気持ちも知ってるから余計に口に出来なかった。今一番苦しんでるのは彼だ。
「 貂 」
「 っ……な、何スカ？ 」
「 どっちだ？ 」
「 え？あっ左ッス 」
先を見ると別れ道になっていた。
言う通りに左に進む政の後ろを着いて行く。そのまた後ろから貂達の話し声が聞こえた。
コツコツ、と足音だけが響く。
暗闇の中でぼんやりと浮かぶ松明の影で政の顔はよく見えなかった。
「 反乱を未然に防げなかったのは……俺にただ力が無かった。それだけの事だ 」
『 っ…… 』
淡々と話す声もどこか侘しさを纏っている。
でも私には、その背中を見つめる事しか出来なかった。
「 俺の祖父"
「 ？ 」
「 おかげで去年俺は……十三歳という若さで王位についた 」
「 ！？！？ 」
当然、子供に執政が出来る筈もなく政は玉座に座る飾りの王も同然で、朝廷は私利私欲に燃える大臣達の権勢争いの場でしか無かった。
その中でも大権を握ったのは商人から成り上がった右丞相"呂氏"。彼は政の庇護者となり更にその勢を強めた。二番手は左丞相"竭氏"だ。この両者を軸に朝廷は大きく割れている。
「 ！？ちょっと待て！大臣同士の争いにどうして王のお前が巻き込まれたんだ！ 」
政も私も黙り込んだ。
それを見た信はどんどん顔を歪ませていく。
『 密かに玉座を狙ってた弟の
本当に……穢れてる。
朝廷なんて欲望しか頭に無い汚い連中の集まりだ。
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しろ。(プロフ) - さりんこさん» はじめまして！コメント有難うございます。しろです。そんな風に言ってもらえてすっごい嬉しいです！！！更新頑張ります！！ (2021年5月28日 5時) (
レス) id: d967e47327 (このIDを非表示/違反報告)
さりんこ - はじめまして！！さりんこと申します。私もキングダムが好きでなかなか、キングダムの小説がなかったので、今回しろさんの小説読まして頂きまして、すごく面白いなと思いました。早く続きが気になります！！これからも頑張って下さい！！ (2021年5月27日 23時) (レス) id: 409248fd34 (このIDを非表示/違反報告)
さりんこ - はじめまして！！ (2021年5月27日 23時) (レス) id: 409248fd34 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しろ | 作成日時：2021年5月27日 19時
