鈍感少女と怪談好き少年 (ページ4)

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案内② ページ4

アコ「そこから見える森っぽいところは、山桜神社。
あのー、余計なお世話かもしれないけど
街の紹介をするね。その後ろにあるのが
オババ山で、あっちの高台には死神病院。」

『それでこっち側の川をさかのぼって行くと、
車の墓場と幽霊団地。そして、怪談レストラン。』

ショウ「怪談レストラン？」

『うん。いつの間にかそんな名前がついてたの。』

アコ「A！」

『甲本くんにアコはあげないんだから！』

アコ「私は物じゃないんだけど(呆)」

『まぁともかくこの山桜街には変な変な場所が
沢山あって口が悪い人には
呪われた街なんて呼ばれてる。』

ショウ「案内してくれるかな？」

アコ「どこに？」

ショウ「怪談レストラン。」

アコ「えぇ！」

ショウ「急ごう！日が暮れる前に！」

『ちょっ！』

アコ「だめだよ！あそこには幽霊が出るの！
入った人はみんな呪われるって！」

アコ「ね？不気味でしょ？廃墟にしか見えないけど
夜中に営業されるんだって。」

『しかも支配人は幽霊。』

ショウ「入ろう。」

『ちょっ！』

ガチャっｷｨ

アコ「お、おじゃましまーす。」

『え･･･ビデオ？』

ショウ「奥に行ってみよう。」

アコ「待ってよぉ！」

『･･･掃除さえすればすぐにオープンできるね。』

アコ「でも、案外普通だよね(苦笑)」

ショウ「だといいけど。」

『怖いこと言わないでよ！』

アコ「なんか･･･まるでさっきまで使ってたみたい･･･」

ショウ「幽霊船の話、知ってる？」

アコ「何それ？」

ショウ「ある船が無人で航行する幽霊船を
見つけたんだけど
厨房にはまだ湯気がたった鍋のスープが
作りかけだったんだ。」

アコ「それって作り話？」

ショウ「ホントの話だよ。」

アコ「ねぇ、もう帰ろうよ。」

ショウ「映像を確認してみる。」

アコ「え、ここで!?
私もう紋してきちゃったんだけど。」

ショウ「なにが？」

『何がって！デレカシーの欠片もない。』

アコ「何がって･･･えっと、そのー」

ショウ「あぁ、トイレか。それなら向こうだ。」

アコ「えぇぇー」

ショウ「ついてきて欲しいの？」

『んなわけないでしょ！バカ。』

アコ「もう！1人で行けます！！」

『ちょっ、アコ！
こんな見知らぬ男子と二人きりなんて嫌だよ！』

《『ビデオ？』》

ショウ「これは･･･」

アコ「ん？どうかしたの？」