猫のような蝶 (ページ14)

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社長室を出た私は事務所の前にタクシーを呼んでからロビーへと急いだ

正面玄関に着くと既にタクシーが一台止まっていて、すぐに乗り込んだ

『すみません、○○病院までお願いします』

「はい、わかりました」

私は運転手に行き先だけ伝えるとそのまま窓の外に流れる景色を無言で見つめていた

運転手も雰囲気を感じたのかそれ以上私に話しかけることも無かった

病院に着くと運転手にお金を払い中に入った

私は迷うことなく一般棟とは別の特別棟へ向かった

特別棟とは、公には入院するのが難しい政治家やアイドルといった人達が入院する病棟で一般よりセキュリティなどがとても厳しい

だから、この病棟には基本的に家族やグループのメンバーといった人たち以外は入れないようになっている

私は一つの病室の前に来ると一度深呼吸をして静かにドアを開けた

病室の中にはベッドの上に座ってひとり窓の外を眺めている青年がいた

彼はたぶんAより年上なのだが顔の目鼻立ちがそれとなく2人とも似ている

彼はAを見ると優しく微笑みながらドアの前にいるAを見つめていた

彼を見るAの瞳はいままで闇しか映さなかった暗い瞳とは違い温かく優しい光が差していた

また彼女を包んでいた刺々しい雰囲気も今や年相応の柔らかい雰囲気になっていた

『ただいま………

隼也お兄ちゃん』

隼也(兄)「おかえりA^ ^
今日もここに来てくれたんだね
ほら、そんな所に立ってないでこっちに来て座りな？」

『うん！
それよりお兄ちゃん身体の調子はどう？辛くない？大丈夫？」

兄「大丈夫、辛くないよ^ ^
この病院のみんな腕がいいからね
毎日少しずつ身体が良くなっていくのが自分でもわかるよ！」

『よかった^ ^じゃあ、あと少しだね！』

兄「それもこれも全部あの人の………

イ・スマン先生のおかげだな
あ、今はアッパ(お父さん)だったな^ ^」

Aは隼也の言葉を聞いて少しだけ表情が曇った

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字数が足りなくなったのでお話を次に飛ばします