同居人が顔面の良さと色気爆走させてる【赤井秀一】 (ページ43)

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けれど私はあれから

昴さんのその正体を彼に問い詰める事はしなかった。

変装してまでしなきゃならない事。

その理由が
私には想像ができないほどに
何か深い訳があるんだろう。

悪い人ではない。それだけは分かってるし。

あれほどの変装技術だもん。有希子さんが絡んでるにきまってるし。

それにあの工藤夫婦が彼を工藤邸に住まわさして、私を任せてるぐらいだし。

堂々と好きになれる人ならそれで、それだけで良い。

「Aさん、コーヒー飲みます？」

「あ、はい、いただきます」

とは言ったものの
昴さんと顔を合わせるたびに

赤井さんとのキスを思い出しては

ぎこちない態度をとってしまうのだけれど。

このまえなんか、昴さんに赤井さんとの事を聞かれて

「そうだ、彼、赤井秀一にお礼はちゃんと言えたんですか?」

「えぇ、はっ...はい。」

「何を驚いてるんですか?彼の名前を出しただけなのに。....もしや彼と、...何かありました?」

(..........こいつ....:normal:#808080db)

あれ以来、昴さんが意地悪な事が判明した。

けど....

そんな所も

大好きです。

えーえー完敗ですよ。

笑っちゃうほどに。

「昴さんって....ほんと赤井さんに何処となく似てますよね。親戚か何かですか？」

「...............。そう？ですか？」

たまには私も意地悪をやり返してみたりと。

そんな、ドキドキした、お腹がむず痒いような、そんな日々が続いた。

ずっとこんな日々が続けば良い。

ーーーーそう思っていた。

私は知らなかった。

沖矢昴と赤井秀一との2人の秘密を知ってしまった。たったそれだけのことで彼を知れたようででいただけだった。

彼に心の中には

私の知らない誰かが住みついていて。

きっと彼にとっては

もしかしたら、私と関わった事が.....。

私と彼は出逢ってはいけなかったのかも知れない。