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流れるようなキス。







夢にまで見ていたファーストキスは

夢と現実の区別がついていないお相手と

思わぬ形で成し遂げる事となってしまった。




いろんな気持ちが込み上げて
涙を堪えた。





そんな私の目尻を、赤井さんは両手の親指で慌てて拭う。



クールで落ち着いたイメージの彼に似合わず
相当焦っているご様子だ。









「悪かった....泣くまで嫌な思いをさせて
 本当にすまない」




「.....う...一体どんな夢見てたんですかぁ!」




「....本当にすまない事をした
 なぁA、泣かないでくれ」







焦ってる姿もイケメンだなんて
本当に罪な男だよ、赤井さんあなたは。







「.......初めてだったのに...」




私は自分の顔に添えられた赤井さんの手を掴んだ。






「寝ぼけてって...なんなんですかぁ!」





少し唇が触れただけのその行動に


平然を保つ事はできなかった。




赤井さんは私のその発言に
瞬きを数回繰り返した。







「....それが、不満なのか?」

 


「そりゃ、そうでしょ...!
 故意じゃなくて
 ファーストキス奪われるなんて...」






私がそう言えば

赤井さんは私の手からスルリと抜け出し

その抜け出した手を私の頬に再度添えた。





「....っ!」



 


「おまえの言い方だと
 俺とのキス自体は
 嫌じゃなかったというように、聞こえるが?」









その言葉にあっと口を手で抑えた。



だがその手をいとも簡単に赤井さんのもう片方の手で外されてしまう。





「なっ....」









「勘違いしているようだが、


確かに寝ぼけてはいたが

けれど俺は、おまえだと認識してやった事だ」




(.....え?)






「.....それって...
 どう言う意味ですか?」





赤井さんの瞳から

ハイライトが消えた。






「....さあな」





その目を伏せて、再び彼の顔が

ゆっくりと近づいてくる。





「自分で考えてみろ」






分からない。



まだ2回しか会ってないのに。



そんな私に何をどう推理しろって言うの。




「おやすみ、姫」





言動や受け答えが一々ずるい男。



謎が深まるばかりで。





私は彼の2度目のキスを


すんなりと受け入れてしまった。













自分の不誠実さに
笑っちゃうぐらいに。

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設定タグ:沖矢昴 , 名探偵コナン , 赤井秀一   
作品ジャンル:アニメ
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よんたん(プロフ) - 悠希さん» 有難うございます❤︎頑張れます🥹励みです🥹🍀 (5月22日 14時) (レス) id: b102824eca (このIDを非表示/違反報告)
よんたん(プロフ) - しまさん» 赤井しゃん...❤︎笑 有難うございます🥹 (5月22日 14時) (レス) id: b102824eca (このIDを非表示/違反報告)
よんたん(プロフ) - ダイアナさん» 嬉しい...有難うございます😭 (5月22日 14時) (レス) id: b102824eca (このIDを非表示/違反報告)
よんたん(プロフ) - アンさん» 頑張れます🍀ありがとうございます❤︎ (5月22日 14時) (レス) id: b102824eca (このIDを非表示/違反報告)
よんたん(プロフ) - さくら(ふぶきち)さん» ありがとうございます❤️ (5月22日 14時) (レス) id: b102824eca (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:よんたん | 作成日時:2023年5月2日 1時

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