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私の口を覆ったその大きな手を両手で掴み
離して、と目線で訴えると



「あ、あぁ、手荒な真似をしてすまない」



そして彼の手から解放されると私は彼から目線を逸らした。



「それにしても彼から同居人が居るとは聞いていたが
 夜まで帰ってこないと言っていた筈なんだが...?」


「あ、それはその....」



初対面の人に言う事じゃないよね...?
いやそれ以前に今の状況で言うべき事ではないな、絶対。
だってあなたタオル一枚しかついてないし上半身の素肌丸見えだし....


刺激の強いその光景に、どうしたら良いのか分からずにたじろっていれば...



彼は何を思ったのか
私の目を覗き込んだ後、初対面なのにも関わらず
遠慮なく私の頬に手を添えて、無理矢理目を合わさせられる。




「えっ...あの....っ」



「....何かあったのか?」



「いやっ、その...っ!」



「....力になれるかもしれない
 話してくれないか?」



「あ....だから...ふく...



「...ん?もっと大きな声で言ってみろ」




動揺する私の声が小さい為か、彼は顔を近づけて耳を傾ける。




「〜〜っ!だから!!服!!
 とりあえず服着てください!」




これまでにないぐらい赤面で彼にそう告げれば


彼はようやく自身のその状態に気づく。



私の動揺の正体を知っても尚、動じない彼。



「......おっと...これはすまない
 少しリビングで待っててくれ」




何故ポーカーフェイスでいられるのだあなたは。


この状況で昴さんが帰ってこなくて良かった。
危うく何か誤解が生まれるとこだった。



私はそこから逃げるように、言われた通りリビングへ向かった。







大きな溜息をつきながらソファへ倒れ込むように腰をかけた。



「.....色々ありすぎるよ...」




そう呟いたその瞬間、先程の彼がリビングへとやってくる。



黒い服に身を包み、ニット帽を被って。

ドブにハマったって事はそれ昴さんの服か。
そんな服持ってたんだ...。



彼はいつも昴さんが座る定位置に座ると





「で?さっきの話の続きだが...」



「.....いえ、少し体調が優れなかったものだから
 早退してきただけですよ」



やっぱり初対面の人に心配をかけるのも良くないし...

そういった気持ちで言えば、彼は即座に立ち上がる。




「なら、薬を買いに行ってこよう」



「.....え、」




何の戸惑いもなく即決し、部屋を出て行こうとする彼を私は引き留めた

その太い手首を捕まえて。

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設定タグ:沖矢昴 , 名探偵コナン , 赤井秀一   
作品ジャンル:アニメ
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よんたん(プロフ) - 悠希さん» 有難うございます❤︎頑張れます🥹励みです🥹🍀 (5月22日 14時) (レス) id: b102824eca (このIDを非表示/違反報告)
よんたん(プロフ) - しまさん» 赤井しゃん...❤︎笑 有難うございます🥹 (5月22日 14時) (レス) id: b102824eca (このIDを非表示/違反報告)
よんたん(プロフ) - ダイアナさん» 嬉しい...有難うございます😭 (5月22日 14時) (レス) id: b102824eca (このIDを非表示/違反報告)
よんたん(プロフ) - アンさん» 頑張れます🍀ありがとうございます❤︎ (5月22日 14時) (レス) id: b102824eca (このIDを非表示/違反報告)
よんたん(プロフ) - さくら(ふぶきち)さん» ありがとうございます❤️ (5月22日 14時) (レス) id: b102824eca (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:よんたん | 作成日時:2023年5月2日 1時

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