同居人が顔面の良さと色気爆走させてる【赤井秀一】続編

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ここは、黒ずくめの本部。



「兄貴...！やはり間違い無いですぜぃ
　花咲Aは、9年前、俺らが拉致した女に違いねぇ」




組織の幹部、ウォッカは、彼の兄貴分であるジンに駆け寄り、ある書類を数枚渡した。


だがそれをジンは受け取らずに



「確認するまでも無い
　あの時、もう既に分かっていたんだからな」





「......さすが兄貴....
でも、どうするんですかい？
　あの時のあの女の反応を見る限り
　俺らの記憶は綺麗さっぱり、消えてくれてるみたいでしたけど」




ジンは咥えていたタバコを、灰皿にジッと押しつけると
冷たい笑みを浮かべた。




「....どうもこうも、だろ」




ジンがそう言えば
ウォッカも不敵な笑みを浮かべる。



「殺るんですね...」



「....あ？


　 殺らねぇよ」




「えっ、....でも...」



ジンは立ち上がり、ウォッカに背を向け、歩いていく。
その後ろをウォッカは慌てて追った。




「誰に何を言われようが
　あの女は殺さねぇ」



「...,なっ、どうして....」




ジンは、彼女との事を思い出した。







「お兄さん....そんな悲しい目...しないでよ」




「分かるよ、私も思うもん。人間は、動物の命なんてどうとも思ってないのに、人間は人間だけルールを作って、美化させる。けどね...人間には感情がある。大切な人を亡くした時の本当の痛みを人間は理解してしまうの




「お兄さんは、大切だと想える存在にまだ出逢えてないんだよ。....それにお兄さんを大事に想ってくれてる人にもまだ出逢えてない。それだけ、それだけだよ」





「私...今から殺されちゃうんでしょ...?.....そうだ!...だったら私、もし生まれ変われたとしたら、来世では目一杯お兄さんを愛す!だからさ..... 善人になって、とは言わないけど」

「それまで、自分の事を、自分で愛してあげて」









自分が今から殺されると分かってて
しかも、その自分を殺そうとしてる相手に


そんな言葉をかけられるか？普通...。と


ジンはあの時、思った。





「兄貴、どうしたんすか？ボーッとして」




「..........フッ...なんでもねぇよ」

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