同居人が顔面の良さと色気爆走させてる【赤井秀一】続編

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ーーーーーああ、辛いな



凄く辛い、辛い、辛すぎる。




誰かが言ってたな


初恋は大抵、報われない事が多いって。






「さようなら、」




私は工藤邸を見上げた。



沢山の思い出が、脳裏に焼き付いて、


それがフラッシュバックした。





私の同居人は



とにかく顔面が良くて



色気がたっぷりで



優しくて


でも強引で



余裕ぶった笑顔をよく浮かべて



危険な香りがして



一筋縄ではいかなくて




どうしようもなく惹かれた。








純粋で真っ白で、天使とも呼ばれる私を
泣かしてしまうほどの、


素敵な素敵な人だった。





涙を拭って私は工藤邸を背に
歩き始めた。




ーーーーーーその時だった。






「待て....！」



「っ....」





嘘......。会いたくなかったのに...。




思わず振り返れば


そこには車を停車させ、勢いよく車から出てくる

昴さんの姿があった。





(コナンくん....まさか...)




言いやがったな、あのガキ...。





私はキャリーケースを引いて
小走りで昴さんから逃げるように背を向けた。







「待て、A」





けどもいとも簡単に追いつかれて

手首を捕まえられる。






「離して！」








こんなに辛いなら

好きになんてなりたくなかった。



会いたくなかったのに...。
もう会わずにあなたの前から消えようと思ったのに。




涙が溢れてくる。



掴まれた腕をぶんぶん振って
もう片方の手で顔を隠せば

昴さんは顔に当てた手をも掴んでくる。







「俺が悪かった
　頼むから泣かないでくれ」





そして、私の目尻を拭ってきた。




「優しくしないで...！」




そう声を荒げれば、
昴さんは強く、私を抱きしめた。




「いや...離して...！」





「わかった」




「...！」




離してくれるかと思いきや
昴さんの腕の力は強まる一方で






「俺たち......結婚しよう」






(ーーーーーは？)







「......なん、で...

なんでそんなに簡単に意見をコロコロ変えられるの！？」






「宮野明美とAさんは
　 どことなく似ているような気がします」






「彼女との同質感で私を好きだと言うのは
　やめてください....！」







好きにならなければよかったなんて、そんな事


思ってしまう事自体が辛い。




だけど





わたしの知らない誰かを
見つめているあなたを見ていると

そう思わずにはいられないの。

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