同居人が顔面の良さと色気爆走させてる【赤井秀一】続編

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彼のおまじないに徐々に心が落ち着いた私に
彼は提案した。
一先ず病院へ行こうと。



「この辺で誘拐された少女がいると耳にしていてな。
　きっとそれはキミの事だ」



一部の記憶がなくなってるかも知れない事を
彼に告げると、彼は私の頭を優しく撫でてくれた。




「大丈夫、思い出そうとしなくていい
　今は傷を治す事だけ考えろ」




今から救急車と警察を呼ぶが
人と話せそうか？と問い欠けてきた彼に
私は思わずしがみつくように、彼の腕に抱きついた。



「お兄さんも...一緒なら...」



そう言うと、彼は少し驚くが
すぐに優しい、困ったような微笑みを浮かべてくれた。




「ああ、側に居よう。
　大丈夫だ、安心しろ」



「うん.....」





その温かい瞳に、私は強く惹き込まれたような気がした。





彼の周りに舞い落ちる桜の花びらを目で追った。



気づけばその彼と桜を見て口にしていた事。




「王子...様？」





彼は数回瞬きをして
私を見ていた。



やがて、フッと小さく笑みを溢した。






「俺が王子....か。ならキミは....姫...か？」








息が止まるほど、震えるほど


体の底を稲妻が貫いてしまうような、


そんな衝撃と感覚を感じた。








そのあと、検査入院と事情聴取を終え
心の傷が大きかった為に精神科病院にまで入院する事となった。






記憶がこんがらがってる時に彼と出会ったからか、
日が経つに連れて彼との出来事をも薄れて





今まで彼の事をも思い出せなくなってしまっていた。

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