私の過去の扉 (ページ5)

今日:1 hit、昨日:3 hit、合計:5,385 hit

助けてページ5

「Aちゃん、またそんなこと！」
「ごめんなさい……ごめんなさい……でも……！」「辛いのか？」
「昔、私……あの男に言われたんです。
生きる意味が無いって……」

叔父の手が、震えていた。
私は泣いて、過去のことを話した。
だから、もうこの世界にいたくない。
それも話した。

「そんな訳ない！」
「ありますよ……私、わかります」

使えないものは要らない。
それがこの非情な世界のルール。
だったら、私もそうでしょ？
いらないんだから。

「Aちゃんは、勉強ができる。
それに、今まで合気道も頑張ってきたんだよ。
あと、僕達にとって、大切な家族」

家族か。
確かに、そうだけど。

「なら、叔父さん……」
「ん？」
「助けてよ、叔父さん」
「どうやって？」

私を、殺して
そう言ったときの彼の少し怯えた顔が好きだった。

「大事な娘同然なんでしょ？だったら助けて」
「ダメだよ、Aちゃん。人を殺すなんて」
「ダメじゃなかったら、殺してくれるんですか？」

そう聞いた時の、彼のキョドった顔。
……面白いなあ。

「……わかった。僕が助ける」
「良かった」
「でも、Aちゃんは殺さない」
「は？」

僕達が、Aちゃんがそんな気を起こさないように
愛情を注いであげるよ
期待外れ、０点の解答。
助けてくれると思ったのに。
でも、あの時の叔父の決意を持った瞳。
その瞳がカッコよかった。
だから私の好きなタイプは、年上でイケメンなのだ。