友達 ページ4
「はあ?あんたね……普通、友達になる?」
「……イケメンだったし」
「でも、何考えてるかわかんないじゃん!心配なんだけど」
麗菜は私の友達。
同じ大学で、同じ学部。
「お得意の合気道で何とかならないの?」
「えー、嫌だよ。疲れるもん……」
「それに、お迎え頼んだんだって?」
「うん。ストーカーしてるくらいだし、大学もバイト先も知ってるかなって思って」
「頭はいいのにやってることは馬鹿……」
呆れられてる。
自分でも呆れてるんだから、そうだよな。
自分でも何やってるんだか……
好き……ってこと、なのかな。
いや、それはない。
ストーカーされてたんだよ?
タイプでもさ……
「聞いてる?」
「ボーッとしてた」
「とにかく、何かされたら絶対言いなよ?あたしがそいつのことぶっ飛ばすから」
「はいはーい」
校門近くで待ってる佐野さん。
……仕事、あるのに。
そう言えば、向こうはあたしのこと知ってても、あたしは何も知らない。
知っておいた方が良いのでは?
「佐野さん」
「あ、雨宮さん……」
「ほら、帰りますよ」
「……はい」
相手もなかなか困っているようだ。
そもそも、ストーカーされて困ってたのはこっちだ。
「佐野さんって、お仕事何されてるんですか?」
「氷彫刻家……ですけど」
「凄いですね……」
「雨宮さんは……どんなこと、勉強してるんですか」
「工学部でAI作っててそれで、色々」
あ、危ないですよ、と言って車道側を歩いてくれる佐野さん。
……優しいんだな、この人。
「どうしていきなり……」
「あたし、佐野さんのこと何も知らないじゃないですか。
だから……仲良くなるために」
「俺だって、雨宮さんのこと、よく知らないですよ。
ストーカーしてたのに、とか言わないでくださいね」
「今、言いそうになりました」
……ヤバい。
好きになってしまった、確実に。
今の笑顔はなんだ……!?
あー……好きだわ。
71人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:アンドロメダ | 作成日時:2019年9月11日 20時