ストーカーが年上イケメンだった件について。【あなたの番です】【佐野豪】 (ページ24)

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面会ページ24

「久しぶり、沙和」
「Aさん……もう会えないかと思ってました」

虚ろな目でそう言う彼女。
昔の私も、こんな目をしていたのだろうか。
何もない、空っぽの目を。

「助けられなくて、ごめんなさい……ごめんなさい」
「謝らなくていいよ」
「えっ？……私の代わりの人、見つけたんですか？」
「違うよ。見つけてない」

ガラスの向こうで困惑した様子を見せる彼女。

「私ね、もうそういうのやめたの」
「やめ……た……？なんで」
「だって、そんなのしなくても良いようになったし。失いたくないなって思って」
「どうして？私だけに、私だけに……！もしかして、私のこと嫌いになったんですか」
「ううん。さっきから間違いばっかり」

わからないのかな。
二階堂くんとあんなに楽しそうにしてたじゃないか。

「沙和。私ね、もう幸せを見つけたの。生きる意味を見つけた」
「二階堂さんですか？」
「違うよ。だって私、あの人のこと友達ぐらいにしか思ってないし」
「じゃあ一体……」

秘密にしておこう。
知る必要はない。
そう思って、唇に人差し指を当てた。

「じゃあね、沙和」

そう言って、その場を去った。