今日:2 hit、昨日:0 hit、合計:2,769 hit
小｜中｜大
嘘とお菓子と ページ10
『ただいま』
シ「おかえり、遅かったな」
『ちょっとお菓子選ぶのに迷った』
なんてのは嘘。
シ「ポテチとーグミとー…」
『あ、待って』
袋から1つだけお菓子をとる。
シ「何それ？」
『私のお菓子だ』
シ「見せて」
ヤダヤダヤダ。○梅グミなんて見せる訳ない。
『で、できない相談だ』
シルクはそんなことを聞かずにひょいと奪い取ってきた。
シ「これ、好きなの？」
幻滅されたかもしれない。
『好きで何が悪い』
シ「何か意外で可愛い。ギャップ萌え」
ギャップ萌えってお前…。
『返せ！』
シ「ほれ」
『あ、ありがとう』
シ「明日動画出てくれない？」
『いいけど』
シ「サンキュ」
まぁとりあえず良かった。
シ「お前さ」
『ん？』
シ「疲れてね？」
よくわかったな。
シ「図星だな」
『…お菓子選びに迷ったのは嘘だ』
シ「何で嘘をついた？」
『シルクに迷惑かけたくない』
一緒に住ませてくれて。
こんな私を好きになってくれて、愛してくれて。
そんな人に、迷惑ばっかかけてたら面目無いだろ。
シ「バカだなぁ。お前」
シ「俺が好きな奴に頼ってもらえて迷惑だなんて思うか？」
シ「寧ろ頼ってほしいし、頼ってもらえて嬉しい」
『刃物を持った奴がいた』
シ「は？」
『何とかどっちも傷つかないようにした』
シ「警察は？」
『呼ばなかった。だけどそいつに次やったら今回のことも言うって言った』
シ「そうか……怖かったよな」
『こんなこと、何度もあったから大丈夫だ』
シ「無理すんなよ？」
『わかってる』
シルクは本当にいい人だ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 7人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：アンドロメダ | 作成日時：2018年1月1日 16時
