【ツキウタ。】ただ、君の傍にいたい【短編集】 (ページ23)

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略奪された【葉月陽】ページ23

※陽と夜の仲が複雑になる。夜がキャラ崩壊

本当は知ってた。

夜がAを好きだって。

俺と付き合ってるのを知っていても、諦められなかったのも。

始めは夜に悪いとは思っていたが、次第に罪悪感はなくなった。

夜がいても、俺が呼べばすぐ来てくれる。

夜がいても、俺の隣を歩いてくれる。

それに優越感を抱いていた。

油断をしていた。

夜がAを好きだと、忘れていた。

その事を忘れないで、少し警戒しとけば、Aが離れることも、夜と距離を置くこともなかったかもしれないのに──────。

「陽ー？なにぼーっとしてんの？具合悪い？」

少し考え事をしているとAが顔を除かせて来た。

「別に悪くねーよ、ただ考え事してただけ」

そう言ってデコピンすると、額を押さえながら怒ってきた。

なんだかその様子が可笑しくて、笑った。

「陽、Aちゃん、そろそろ移動しないと遅れるよ？」

Aとじゃれあってると、夜が教材を持って教えてくれた。

「あ、ほんとだー。次科学だっけ」

「そうだよ」

「あの先生煩いんだよなー」

そんな話をしながら、移動の準備をして立ち上がった。

「うし、行くかー」

「うん、早く行こう。Aちゃんも」

「りょーかい！っと、行こ！」

３人で並んで歩きだした。