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「海外の・・・・大学に行こうと思ってる」
「え・・・・」
「海外の、世界でもトップレベルの学校の医学部に行こうと思ってて」
Aの夢は医者になることだと、お姉さんが病気で倒れてから強く決めたそうだ。
それにAは頭がとてつもなく良い。
もともと天才なのに、それに溺れることもなく努力をしているから、当たり前とも言える。
「郁は、アイドル、続ける・・・・よね」
「え、あ、うん、そのつもり」
急な話題に戸惑って、変な返しをしてしまった。
「じゃあ、これからもっともっと人気が出て、今よりもたくさんテレビに出るんだね」
そしたら、
Aは一呼吸置いて、悲しそうに笑って言った。
「遠くなっちゃうね、物理的にも、心の距離も」
そう言われて少し考える。
俺とAは友達同士で、ただの親友。しかも毎日連絡をとるわけでもない、そんな関係。
俺がアイドルになってから少しだけ、心の距離が空いたのに、海外に行って、俺がもっとアイドルに打ち込んだら、もっと距離が空いてしまう。・・・・Aが離れてしまう。
彼女の特別になれたなら、そんな心配もなくなるのだろうか。
「私、郁と離れるの・・・・ごめん、やっぱなんでもない」
ねえ、その言葉の続きは、都合よく受け取っても良いの?
勘違い、しちゃうよ。
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水無月のぞみ - 悲恋とかbadend嫌いです。 (2021年12月11日 18時) (レス) id: 90a3a483bc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぱなぱな | 作成日時:2019年5月21日 14時