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俺が考え込んでいると、彼女が控えめに声を出した。

「あの・・・・もし、良かったら、なんだけど・・・・私の家、近いから、そこまで一緒に、帰り・・・・たい、です・・・・」

最後の方は小さかったが、ハッキリと聞こえた。

雨の中一緒に帰る、それはつまり、相合い傘。

このとき初めて葵が早退してくれて良かったと思った。

「おう、・・・・一緒に帰るか」

いつもと変わらないテンションで答えて、彼女から受け取った傘を開いて一緒に歩き出した。

もう叫びたいほど嬉しい、今すぐ叫びたい。

頭でそんなことを思っていても体はガチガチと緊張していてぎこちない。

そして話題がない。何か話さなくては。

「「あの」」

「「えっ」」

まさかの被り、なんだこの少女漫画みたいなシチュエーション。

「えっと、相上さんから話していいよ」

「えっいやえっと・・・・実は、特に話題がなくて、思わず、声が出ちゃったっていうか」

なんだそれ可愛い。

それって俺と同じだったって、ことだよな?

うわ、嬉しい

「・・・・実は俺も、特に話題はなかった」

「えっ卯月くんも?」

驚いたようにこっちを見た相上さんとなんとなく見つめ合って、吹き出して、笑った。

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水無月のぞみ - 悲恋とかbadend嫌いです。 (2021年12月11日 18時) (レス) id: 90a3a483bc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぱなぱな | 作成日時:2019年5月21日 14時

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