君にだけ

動揺 ページ8

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「じゃあね、A」


『また、ね』






気づくと外はすっかり暗くなっていた






真人…このツギハギ顔をした呪霊は祓うべきだったのだろうか。






いやでも、私は絶対勝てない相手だから


戦わなくて正解…？






重い足を引きずりながら


歩いて高専まで帰った。



本当は補助監督さんを呼んでも良かったのだけれど…






あの時胸がたかぶったり、呪いを綺麗だなんて思ってしまった自分が


怖くて仕方なかった


普通なら恐怖ですぐ逃げるはずなのに






「…？逃げないの？」






あちらもなぜ私を殺さなかった？






あーもう、何が何だかわからない。


忘れよう…









「A〜遅すぎ」


『すみません』


「何してたの？またどっかでぼーっとしてた？」


『そういう事です』






するとほっぺをムギューって掴まれて






『ごじょうへんへ、はなしてくらさい』


「また僕に心配かけて！！！」


『だいじょうぶれす、わたしはひにません』


「悠仁とかチョーーー心配してたからね！」






ようやく掴んでた手を離してくれた…


私の帰りが遅いと大体こうだ。






高専の敷地内で私を待ち伏せし、こうして説教的なものをする。


私はもうそんな子供じゃないからほっといて欲しい。






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