巡り会う妖と人の子９

第４１６話〜妖怪コマ回し勝負！〜 ページ44

鬼太郎「くらえぇぇ！！」

そしてコマを後転の勢いで蹴り飛ばした

蹴り飛ばされたコマはあまめはぎをも吹き飛ばす

あまめ「ぐあぁ！！！」

空中でクルクルと回っていた鬼太郎はスっと着地をした

そして、見事あまめはぎに勝利した鬼太郎に皆が駆け寄る

猫娘「やったぁ！」

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地面に倒れ込んだあまめはぎを全員で囲む

カズオ「…さぁ！言う事聞いてもらうよ！」

あまめ「……はい」

蚊の鳴くような声で頷く

やがて囲まれる恐怖からじわじわと目尻に涙が浮かび出した

鬼太郎「もう二度と子供を襲うな、いいな？」

あまめ「でも、俺…」

六人「「「「いいな！！」」」」

A以外の全員が声を揃えて怒鳴る

あまりの恐怖であまめはぎの頭に生えるキノコが全て真っ白になって頭から取れた

あまめ「あっ」

地面に落ちた白いキノコを見つめながら肩を落とす

あまめ「あ〜あ…今年のキノコシーズンももう終わりか…

山奥に帰って冬眠しよう…」

そう呟きながら山奥に続く道へ帰っていくあまめはぎ

A「またこの季節になったら出てくるんですかね…？」

鬼太郎「その時はその時さ」

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鬼太郎とAとカズオは公園のブランコに腰を掛けて話す

カズオ「ありがとう。鬼太郎兄ちゃん、A姉ちゃん」

鬼太郎「こちらこそ」

Aは二人の横で微笑ましそうに見つめている

鬼太郎「僕はただカズオ君に自転車の事を教えて貰って、嬉しかったんだ」

カズオは驚いたように鬼太郎の方を向く

カズオ「え…」

鬼太郎「ううん、また練習付き合ってくれる？」

その言葉に嬉しそうに頷いた

カズオ「うん！もちろん！」

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鬼太郎「父さん、Aちゃん！風が気持ちいいね！」

A「そうですね！」

目玉「うむ、いい乗り心地じゃ！」

鬼太郎の頭に目玉おやじが乗り、鬼太郎の横に並んでAが自転車に乗って走っている

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…そんな夢を見ながら、鬼太郎は嬉しそうに微笑んでいた

目玉「練習とやらの成果…いつか見せとくれ、鬼太郎」

鬼太郎にかかった毛布を直しながらそう呟く

すると、目玉おやじは雷の音に窓の外を見上げた

目玉「…ん？」

それと共に雨が降り出す

目玉「おぉ、雨か…」

外にはいつの間にか赤い彼岸花のような花が咲いていた

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