巡り会う妖と人の子１０ (ページ10)

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第４２６話～上陸！脅威の西洋妖怪～ページ10

子泣き「じゃが…前回の戦いで、二人のお母さんは殺されてしまった

ワシらはそれを、救えなかった」

猫娘は真剣にその話に耳を傾けた

猫娘「おじじ…」

子泣き「今回の鬼太郎は、まさしく鬼神の如く戦うじゃろう

…そんな自分を、お前に見せたくないんじゃ。ぬりかべが女房を置いていくのと同じことじゃよ」

すると次の瞬間、辺りに雷鳴が鳴り響く

見上げると、その雷は長屋の前に落ちていた

猫娘「あの稲妻は…！？」

～～～～

稲妻が落ちた場所に鬼太郎達が駆けつけてくる

そこには五官王と虚空蔵が立っていた

鬼太郎「あ、貴方は…！」

目玉「閻魔大王の片腕、五官王殿と部下の虚空蔵！」

虚空蔵はニヘラと笑いながら手を振っている

対して五官王は厳格な雰囲気を崩さないままこちらを見下ろしていた

すると砂かけは鬼太郎と共にやってきたねずみ男に食いかかる

砂かけ「お前、また何かしでかしたのか！？」

ねずみ男「いい！？い、いやそんな覚えは…」

五官王「俺達は地獄からの助っ人だ」

狼狽えるねずみ男を他所に、五官王は野太い声で言い放った

鬼太郎「え！貴方がですか？」

横丁に拠点を置く虚空蔵はともかく、五官王が助っ人という言葉に一同目を丸くした

五官王「お前らに力を貸すなど不本意だが、閻魔大王様直々の御命令だ

そのご慈悲に感謝するがいい！」

目玉おやじは手のひらを握って喜びの声を上げる

目玉「こ、こりゃあ凄まじい援軍が現れたもんじゃぞ！」

しかし鬼太郎は前の事件("地獄の掟！走れねずみ男"参照)の事もあってか、少々不服そうな表情を浮かべた

虚空蔵「そんなピリピリせんでええやんか

ほれ見ぃ、鬼太郎ビビっとるやんけ」

ペチペチと五官王を小突く虚空蔵に苛立ったのか、五官王は声を荒らげて怒鳴る

五官王「虚空蔵！！お前もいつもみたいに(・・・・・・・)腑抜けた戦い方ばかりしたらタダじゃおかないぞ！！」

しかし虚空蔵は五官王の怒声に慄く様子もなく、頭の後ろで腕を組んだ

虚空蔵「だぁ～っていつもは閻魔様に禁じられとるやん

これ使ったらあかんもん」

虚空蔵はベ、と舌を出しながら黄色の巻物を一つ叩く

鬼太郎「(…ん？"いつも"？)」

普段から十分強い虚空蔵の姿を思い浮かべながら、鬼太郎は終始首を傾げていた