巡り会う妖と人の子１０ (ページ8)

今日:30 hit、昨日:4 hit、合計:88,044 hit

第４２４話～上陸！脅威の西洋妖怪～ページ8

鬼界ヶ島の崖の上

満月を背景にザンビアが箒に乗ってやってきた

そして崖の上に立つ三つの影に向かって楽しげに声を掛ける

ザンビア「はぁい！皆お揃いね？バルモンドに呼ばれたの、彼は？」

三世「女のところさ…」

三つの影のうち、中央に立っているドラキュラ三世が口を開いた

そんな三世を小馬鹿にするように声を弾ませる

ザンビア「彼女取られちゃったんだ、プレイボーイ！いい気味～！

あっ、そうだ！私さっきバルモンドに頼まれてた人間連れてきたのよ～！その子ならいいんじゃなぁい？」

悪態をつきまくるザンビアに溜息をつきながら三世は言った

三世「俺は子供(ガキ)を相手にする趣味なんてない

…まぁ顔はいいし、少なくとも成長したらだな」

冷静に言い返す三世に、ザンビアはつまらなそうに口を尖らせた

???「ねぇねぇ見て！ザンビアぁ！」

すると三世の右側の影が手を上げながら叫ぶ

その手には鋭い爪が伸び…赤いネイルが綺麗に施されてはいるが、鋭い爪が伸びていた

???「このネイルアート自信作なのぉ！」

爪を見ながら見下すように容赦ない評価を飛ばす

ザンビア「色がサイテーね、センスゼロ」

するとネイルをしている者から先程までの猫撫で声と変わり、野太い声が響いてきた

よく見ると女のような化粧をした狼男だ

???「なんですってぇ！？！？

腹立つわこの子！！ちょっとばかりアタシより可愛いからってさぁ！！」

しかしそんな抗議も何処吹く風、ザンビアは話を戻す

ザンビア「…おばあちゃまがやられちゃったぁ

…鬼太郎達がやってくるわよ」

その言葉に三人は落ち着きを取り戻す

三世「丁度いい…ムシャクシャしていた所さ」

そして狼男(？)は鋭い爪の間から黄金色の瞳をギラつかせる

狼男「ズタズタにしちゃいましょうよ…」

三人目の影は、巨体に顔の左上に付けられた鉄板…一目でかの有名なフランケンシュタインだと分かる

フランケン「日本妖怪との戦い…十二年ぶりだ…」

────────
─────

鎖に繋がれたまま両膝をついているミウの元に、再びバルモンドがやってきた

バルモンド「ゲゲゲの鬼太郎が来るとよ」

その瞬間、ミウは一瞬で希望で染められた顔を上げる

ミウ「鬼太郎さんが…！？

っ…」

バルモンドはそんなミウの顎を掴み、無理矢理自身の目線と合わせた

そしてニヤリと笑うと…

バルモンド「会わせてやる！」