巡り会う妖と人の子１０ (ページ46)

今日:28 hit、昨日:4 hit、合計:88,042 hit

第４６１話～大逆襲！日本妖怪～ページ46

そして虚空蔵はよっこらせと立ち上がると大きく背伸びをする

虚空蔵「さて、少し話し込み過ぎたな。流石に寒い

タマを殴りに行くついでに帰るわ、鬼太郎もはよぅ帰るんやで」

ポキポキと拳を鳴らす虚空蔵に苦笑いをしながら見上げた

鬼太郎「虚空蔵」

虚空蔵「ん？」

鬼太郎「根に持たないでいいからね」

意表を突かれたように固まる虚空蔵

虚空蔵「…持たないよ」

恥ずかしそうに笑いながら頷いた

────────
─────
そして数日後…

Aも目覚め、鬼太郎達は筏で帰路についていた

海に反射して美しい夕陽を背に、島の人達に見送られる

ミウ「鬼太郎さん…」

その中で、ミウは岩の上に立って帰っていく鬼太郎達を見つめていた

ーーーー

目玉「まさかAちゃんが七日も起きんとは思わなかったのぉ」

A「すみません…私が不甲斐ないばかりに誘拐されてしまって…」

しょんぼりと頭を垂れるA

虚空蔵はあの後、「Aは西洋妖怪に誘拐された、その時の打ちどころが悪くて寝込んでしまった」

という口裏を皆で合わせたのだ

そして鬼太郎達の横で酒を飲む子泣きも、赤く染まった顔で見上げてくる

子泣き「五官王もその間にとっとと地獄に帰りおったしのぉ！」

しゃっくりをしながら陽気に話す子泣きを見て、一反木綿は残念そうに肩を落とした

一反「あ～あ…戦が終わった途端いつもの子泣きば～い」

「しかしよ…」

筏の帆の後ろから蒼坊主が腕を組んで出てくる

蒼坊主「なんのかんのと言って、最後におめぇを助けたのは五官王のおっさんだった…」

虚空蔵「アイツはいわゆる"つんでれ"ってやつなんよ～」

～～～～

地獄の大王城にて

五官王は鬼太郎達に貰った霊界符を見つめていた

しかしそこへ一人の牛頭が通りかかると、霊界符を仕舞い不機嫌そうに顔を顰めて去っていく

当の牛頭は頭を傾げて目を丸めていた

～～～～

蒼坊主「今後暫く鍵はお前に預けるとよ

地獄の許可なく開いてはならねぇって言ってたぜ」

まるで"監視してますよ"とでも言いたげに、虚空蔵が満面の笑みで鬼太郎の肩を掴む

振り向かずとも分かる圧力に冷や汗を垂らしながら、鬼太郎は自身の胸を見下ろした

鬼太郎「地獄の鍵…」

虚空蔵「そうや、この世に地獄の力を引き上げる究極の鍵なんやで」

不安が入り交じった声で目玉おやじや蒼坊主、虚空蔵を見上げる