巡り会う妖と人の子１０ (ページ40)

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第４５５話～大逆襲！日本妖怪～ページ40

そしてピョンと跳ねると蒼坊主に抱きつこうとした

だが虚空蔵は飛び跳ねた豊玉の襟首を掴むと、そのまま背負い落としを繰り出す

そして鈍い音が響くと同時に村家が揺れた

虚空蔵「なぁにぃがぁ…

"惚れた"だ、このアホが！！急に抱きつこうとするなんて豊玉姫命の名が泣くわッ！！」

すると豊玉姫命はのっそり起き上がって虚空蔵を指さす

豊玉「馬鹿ねぇ、虚空蔵

名前は泣かないわよ！」

虚空蔵「その名に値しないって意味だよ馬鹿野郎ッ！！」

もはや虚空蔵は関西弁すら吹き飛ぶ程に怒り狂っていた

蒼坊主「お、お師匠…」

そこへ蒼坊主が恐る恐る虚空蔵に声をかける

虚空蔵「あぁ！？」

蒼坊主「Aちゃん寝てるんで外で話しませんかね…」

すると我に返ったのか、静かに眠るAに顔を向けた

虚空蔵「…せやな」

そして一度息をついてから豊玉姫命に向き直る

場が収まった…と思いきや

虚空蔵は豊玉姫命の顔を片手で掴みあげるとそのまま引きずって部屋の外に向かう

虚空蔵「外でゆっっっくり話そうや」

豊玉「～～！？ーーーーッ！！」

顔を掴まれた豊玉姫命も何やら喚いているが、口も塞がれているので分からない

だがそこへ砂かけがやってきた

砂かけ「虚空蔵！鬼太郎が目を覚ましたぞ！」

虚空蔵「なんやて！」

思わず叫んだ虚空蔵

その間も豊玉姫命の顔から手を離すことはなく、むしろギリギリと力を強めていた

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鬼太郎「そんなに心配しなくても大丈夫だよ、虚空蔵」

虚空蔵「そうか？…いやぁ～、よかったよかった」

布団から上半身を起こして苦笑いをしているのは鬼太郎

その脇で虚空蔵は胡座を組んで座っていた

周りには砂かけ達やミウは勿論、蒼坊主や顔全体に紅葉を作った豊玉姫命もいる

虚空蔵「さて、改めて紹介するわ

あそこに立ってるタマ…もとい紅葉顔の馬鹿は豊玉姫命

神格は水、聖母、福、祈雨…まぁ諸々あるけど基本は水の神なんや」

紅葉顔は貴方のせいでしょ…と呟いた豊玉姫命の脛に虚空蔵のローキックが飛ぶ

二人のコントのような光景を周りはハテナを浮かべて眺めている…蒼坊主を除いて

とにかく！と虚空蔵は場を持ち直すように手を叩いた

虚空蔵「この馬鹿は馬鹿だけど実力だけはあるんや

お蔭で今回助かった」

するとそれに豊玉姫命が目を釣り上げる

豊玉「なによぉ！さっきからバカバカバカバカ…私は頭良いのよ！」

虚空蔵「人に抱きつこうとした奴が頭いいとは思えん！」